アニメ『葬送のフリーレン』の主題歌！第1期OP・EDを一挙に解説

『葬送のフリーレン』は、山田鐘人先生とアベツカサ先生によるファンタジー漫画で、累計発行部数は1200万部を突破。魔王を倒した勇者一行の”その後”を描く独特の物語が、多くの読者を魅了しています。主人公は、千年以上を生きる魔法使い・フリーレン。仲間との別れを経て、彼女が「人を知る旅」に出る姿が描かれます。派手なバトルではなく、静かに心を揺さぶるストーリーが特徴。美しい風景描写と、過去と現在を交差させる構成も魅力。本作のアニメ化に際し、オープニング・エンディング曲も物語の世界観を彩る重要な要素です。

作品概要

『葬送のフリーレン』は、魔王討伐後の世界を描いた異色のファンタジー作品です。壮大な冒険譚ではなく、仲間との別れや時間の流れをテーマにした感動的なストーリーが特徴。2023年にアニメ化され、美麗な映像と繊細な演出が話題を呼びました。本章では、アニメの制作会社と物語のあらすじについて詳しく紹介します。

◾️アニメの制作会社

『葬送のフリーレン』のアニメ制作を手掛けるのは、A-1 Pictures。『ソードアート・オンライン』や『リコリス・リコイル』など、映像美と迫力あるアクション演出に定評のあるスタジオです。本作では、幻想的な風景や魔法の表現が緻密に描かれ、原作の空気感を見事に再現。特に、光と影を活かした演出や、フリーレンの表情の繊細な変化が印象的です。また、アニメーションの動きだけでなく、音楽や効果音にもこだわり、静かなシーンでも感情を伝える工夫がされています。こうした丁寧な作り込みにより、原作ファンはもちろん、アニメから入った視聴者も魅了されています。

◾️あらすじ

物語の舞台は、勇者一行が魔王を倒し、世界に平和が訪れた後。長寿のエルフである魔法使い・フリーレンは、仲間たちと別れ、再び一人旅に出ます。しかし、時が経つにつれ、彼らとの思い出がかけがえのないものだったと気づき、人を知る旅を始めることに。旅の途中で出会ったフェルンやシュタルクと共に、新たな冒険が幕を開けます。本作の魅力は、壮大な戦闘ではなく、フリーレンの心の変化や、人間との関わりを丁寧に描いている点。過去と現在を行き来する構成や、静かに積み重ねられる感情の機微が、多くの読者・視聴者の心を打つ作品です。

登場人物

『葬送のフリーレン』には、個性豊かなキャラクターが登場し、彼らの旅路や心の変化が物語の鍵となります。ここでは、主要な登場人物と、それぞれの声を担当する声優について紹介します。

◆フリーレン（CV. 種﨑敦美）
本作の主人公で、千年以上を生きるエルフの魔法使い。魔王を倒した勇者一行の一員だったが、長命ゆえに仲間との別れを経験。人の心を理解するために旅を続ける。感情を表に出さないが、実は仲間を大切に思っている。声優の種﨑敦美さんは、『SPY×FAMILY』のアーニャ・フォージャー役などで知られ、繊細な演技が魅力。

◆フェルン（CV. 市ノ瀬加那）
フリーレンの弟子となる人間の少女。幼少期に戦災孤児となり、聖都の僧侶・ハイターに育てられる。冷静でしっかり者だが、フリーレンのだらしない面に厳しいツッコミを入れることも。声優の市ノ瀬加那さんは、『ブルーロック』の若島津亜流斗役などで活躍。芯の強さを感じさせる演技が特徴。

◆シュタルク（CV. 小林千晃）
元勇者パーティーの戦士・アイゼンの弟子で、フリーレンの旅に同行する青年。剣技の才能はあるものの、実は臆病な性格。フェルンとは口喧嘩が絶えないが、互いに信頼し合っている。声優の小林千晃さんは、『憂国のモリアーティ』のルイス・ジェームズ・モリアーティ役などを務める。

◆ヒンメル（CV. 岡本信彦）
勇者として魔王を討伐した、フリーレンのかつての仲間。人間の寿命は短いと理解しながらも、後世に名を残すために努力する理想の英雄。フリーレンに深い影響を与えた存在。声優の岡本信彦さんは、『僕のヒーローアカデミア』の爆豪勝己役などで有名。

◆ハイター（CV. 東地宏樹）
僧侶として勇者パーティーに参加していた人物。魔王討伐後は聖職者として暮らし、孤児のフェルンを育てた。お酒が好きな豪快な性格。声優の東地宏樹さんは、『PSYCHO-PASS』の須郷徹平役など、落ち着いた大人のキャラクターを得意とする。

◆アイゼン（CV. 上田燿司）
勇者パーティーの一員で、頑強な体を持つドワーフの戦士。言葉は少ないが、仲間への思いやりは深い。シュタルクの師匠であり、彼を鍛え上げた。声優の上田燿司さんは、『ジョジョの奇妙な冒険』のスモーキー役などで知られる。

第1期第1クール『葬送のフリーレン』

◾️勇者 / YOASOBI

YOASOBIが手がけた『勇者』は、『葬送のフリーレン』のオープニングテーマとして、物語の壮大さを映し出す楽曲です。軽やかなピアノの音色から始まり、リズムが加わることで次第に壮大な世界が広がっていきます。楽曲全体に流れるメロディーはどこか切なさを感じさせつつも、前へ進む力を秘めています。ボーカルは、静かに語るような歌い出しから、次第に熱を帯びた表現へと変化し、物語の奥深さを伝えています。ストリングスやギターの音が絡み合うことで、楽曲のドラマチックな展開が際立っています。楽器の響きが折り重なり、クライマックスに向かうにつれて壮大なスケールへと昇華していきます。アニメの世界観を大切にしながらも、一つの音楽作品として完成度の高い仕上がりとなっています。

◾️bliss / milet

miletが歌う『bliss』は、第1話から第4話の特別エンディングテーマとして使用され、第11話では挿入歌としても流れた楽曲です。穏やかな旋律が印象的で、楽曲全体に流れる優しい音の響きが心に染み渡ります。ボーカルは、一音一音を丁寧に紡ぐように歌われており、静けさの中に温かみが感じられます。ピアノとストリングスが調和し、徐々に広がるアレンジが幻想的な雰囲気を生み出しています。楽器のバランスが繊細に計算されており、音の一つひとつが耳に残るような作りになっています。作品の世界観と調和しながらも、独立した楽曲としての完成度も高く、聴くたびに異なる印象を与えてくれるでしょう。アニメの特別な場面を彩る一曲として、視聴者の心に深く刻まれる楽曲です。

◾️Anytime Anywhere / milet

miletさんが歌う『Anytime Anywhere』は、作品の雰囲気に寄り添いながらも、温かみのあるエンディングテーマとなっています。静かに流れるピアノの旋律が印象的で、楽曲全体に優雅な雰囲気をもたらしています。ボーカルは、柔らかく語りかけるように始まり、感情の揺らぎを感じさせる歌い方が心に響きます。ストリングスやギターが重なり合いながら、音に深みを与え、曲の終盤に向かうにつれて壮大な広がりを見せていきます。音の重なりが生み出す立体感が、楽曲をより魅力的なものにしています。静寂と盛り上がりのバランスが絶妙で、聴き終えた後も余韻が残ります。アニメの締めくくりとして、物語の感動をさらに引き立てる一曲です。

第1期第2クール『葬送のフリーレン』

◾️晴る / ヨルシカ

ヨルシカが2024年にリリースした『晴る』は、第2クールのオープニングテーマとして作品の世界を鮮やかに彩っています。優しくも力強い歌声が響き、楽曲全体に流れる情緒が作品の雰囲気と見事に調和しています。ギターとピアノの音色が心地よく絡み合い、繊細なアレンジが印象的です。サウンドの重なりが美しく、場面ごとに異なる情景が浮かび上がるような構成になっています。楽器の表現が豊かで、静けさの中に確かな存在感を感じられる仕上がりです。物語の奥深さを引き出す一曲であり、映像とともに聴くことで、より一層の感動が生まれるでしょう。アニメとともに楽曲の魅力を味わうことができる作品です。

◾️Anytime Anywhere / milet

miletが歌う『Anytime Anywhere』は、第1クールから引き続きエンディングテーマとして物語を彩っています。原作漫画を読んでいたmiletさんが作詞作曲を手がけ、温かみのあるボーカルが優しく響き、繊細なアレンジが楽曲の深みを際立たせています。ピアノやストリングスの柔らかな音色が調和し、静かに心を満たしてくれるような雰囲気を持っています。同じ曲が第1・第2クールを通じて使用されていますが、それぞれで異なる歌詞パートが歌われており、物語の流れに寄り添う構成が印象的。アニメの世界観とともに、楽曲が持つ情緒や余韻をじっくり味わうことができる一曲です。

アニメの内容とマッチしたSPECIAL MUSIC VIDEOも制作されました。

サウンドトラック『葬送のフリーレン』

TVアニメ『葬送のフリーレン』の世界観を彩る『葬送のフリーレン Original Soundtrack』。本作の音楽を手がけるのはED『Anytime Anywhere』と特別ED『bliss』の編曲も担当した、Evan Callさんです。壮大なオーケストレーションから、静寂の中に情感が宿る楽曲まで、物語の感動をより深く伝える全70曲が収録されています。劇中のさまざまな場面を彩った楽曲が詰め込まれており、音楽を通してキャラクターの旅路を追体験することができます。温かみのある音の重なりが楽曲に深みを与えています。幻想的な旋律が長い旅路の情景を思い起こさせ、作品の世界観をより鮮明に感じることができるでしょう。アニメを見た後にもう一度その余韻に浸りたい方にもぴったりの一枚です。

『葬送のフリーレン』TVアニメ2期告知映像

TVアニメ『葬送のフリーレン』の第2期が発表され、告知映像が公開されました。

今回の映像では、新たな展開を予感させるシーンが随所に盛り込まれ、これからの物語への期待が高まります。美しい映像と印象的な音楽が織りなす世界観が、本作の魅力をより一層引き立てています。続編では、どのような旅が待ち受けているのか、今後の発表にも注目が集まりそうです。

まとめ

『葬送のフリーレン』は、勇者一行の旅の後を描いた物語です。長い時を生きる主人公が、人間の仲間たちとの思い出や新たな出会いを通じて、心の変化を重ねていきます。旅の先にある答えを探しながら、さまざまな人々と関わり、感情の機微を知っていく姿が丁寧に描かれています。そんな物語を彩る楽曲の数々は、作品の世界観に寄り添いながら、登場人物の心情を映し出しています。壮大な冒険の幕開けを感じさせるもの、静かに寄り添うようなものなど、多彩な音楽が旅の情景を鮮やかに表現しています。作品をより深く味わうためにも、これらの楽曲を改めて聴いてみてはいかがでしょうか。