ボカロとは?世界中から人気を集めるVOCALOIDの歴史や特徴を解説

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「ボカロってよく聞くけど、どんなジャンルの音楽なの?」という方も多いのではないでしょうか。ボカロ(VOCALOID)とは、人間の歌声をもとに作られた歌うソフトウェアのこと。初音ミクをはじめとするキャラクターたちが、作曲者の思いを代わりに歌い上げることで、無限の音楽表現を可能にしました。2000年代に誕生して以降、ネット発の音楽文化として進化を続け、今では世界中のアーティストやファンに愛されています。

この記事では、ボカロの歴史や魅力をわかりやすく解説!初音ミクだけでなく、厳密に言うとボカロとは別の可不なども紹介していきます!

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この記事をおすすめする人

・ボカロという言葉は知っているけれど、仕組みや歴史を詳しく知りたい人
・初音ミクや鏡音リンなど、人気ボカロキャラクターの魅力を改めて理解したい人
・世界中で愛されるボカロ文化の広がりに興味がある人

目次

ボカロとは?世界中から人気を集めるVOCALOIDの歴史や特徴を解説

VOCALOID(ボーカロイド)はヤマハが開発した歌声合成技術・ソフトの総称で、略して「ボカロ」と呼ばれます。歌詞とメロディを入力すると、サンプリングされた人間の声質で歌ってくれるのが特徴です。

完成した曲は「ボカロ曲」と呼ばれ、それを作る人はボカロP(プロデューサー)と呼ばれます。商品には必ず歌唱キャラクターが設定されており、これを「バーチャル・シンガー」とも呼びます。

初音ミク
初めて著者が買ったボカロは初音ミクでした
初音ミクの箱裏
箱裏はこんな感じです!

2007年に初音ミクというキャラクターが登場してから、ボカロ文化は一気に広がりました。

ミクは初めてキャラクター性を前面に打ち出したボカロで、使い方も簡単(=みんなが使いやすい)だったため、熱狂的ブームを生み出しました。これによって投稿サイトやSNSで次々にオリジナル曲やイラスト、コスプレが生まれ、ボカロ=文化になったわけです。

【著者コメント】
私も高校生のころにミク曲でDTMを始めて、ニコニコ動画にオリジナル曲をアップロードしたことを覚えています。今では聴く専門になりましたが…。

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ボカロの歴史

ボカロの歴史は2003年にさかのぼります。当時、ヤマハは歌声合成プロジェクト「DAISY」を発表し、2004年には英語の歌声ライブラリ(Leon、Lolaなど)とともに、初めて日本語ライブラリのMEIKO(メイコ)が登場しました。続いて2006年に男性ボーカロイドKAITO(カイト)も発売され、徐々に音楽業界に注目され始めます。

MEIKO20周年に制作された曲『げんてん』

2007年に革命が起こります。ヤマハの技術を使った次世代音源「VOCALOID2」の一人目として、クリプトン社が初音ミクをリリース。ミクは声の自然さだけでなく、かわいいデザインや設定が注目され、ニコニコ動画などで爆発的にヒットしました。以降、多くの投稿者(ボカロP)がミクを主役にした楽曲を次々と発表し、ネット発の音楽シーンが一気に加速しました。

2010年代に入ると、VOCALOID3/4/5とソフトがアップデートされ、各社から様々な声優の声を使った音源が登場しました。ボカロPたちの技術も向上し、ポップスやロックだけでなくジャズ、民族音楽などジャンルも多彩に。さらにVOCALOIDの曲がテレビCMに起用されるなど、ボカロはクールジャパンの一角を担う存在になりました。

最近では人工知能(AI)技術を活用した新世代のボカロ音源も話題です。2022年にはVOCALOID6が発表され、新たに「VOCALOID:AI」エンジンでより自然な歌声を合成する機能が搭載されました。例えば、制作者が自分で歌ったデータをもとに声を学習させる機能や、日本語・英語をシームレスに歌わせる機能など、表現の幅がぐっと広がっています。

【著者コメント】
ボカロの進化ってすごい速さですよね!まるで別のソフトみたいに進化を遂げていきます。

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代表的なボカロPと名曲20選

ボカロシーンには名曲が山ほどありますが、ここでは代表的なP(プロデューサー)とその人気曲を紹介します。懐かしい曲から最新のヒットまで、少しずつ挙げていきます!

【代表的なボカロPと代表曲を一挙に紹介】

  • ryo(supercell):「メルト」(2007年)、「ワールドイズマイン」(2009年)。初音ミク初期の大ヒット曲。メルトは「メルトショック」と呼ばれ、ミクをアイドル的存在に押し上げました。
  • wowaka:「裏表ラバーズ」(2009年)、「ローリンガール」(2009年)。キャラクターのいない曲で、速いテンポのロックサウンドを確立。ボカロPの中でも伝説的存在です。
  • 黒うさP:「千本桜」(2011年)。ニコ動再生数1位、紅白出場、和楽器バンドや歌舞伎との共演など実績多数。公開41日で100万再生、2016年には1000万再生を突破するなど、一般にもボカロを知らしめた代表曲です。
  • mothy(悪ノP):「悪ノ娘」(2008年)。いわゆる「悪ノ娘シリーズ」の第一弾で、小説や舞台化もされたボカロ作品の金字塔です。
  • じん(自然の敵P):「カゲロウデイズ」(2011年)。オリコン1位になったメディアミックス「カゲロウプロジェクト」の主題歌。複数Pによる物語連作で新しい地平を開きました。
  • kemu:「人生リセットボタン」(2011年)。ダークで疾走感あるサウンドは、後続のPにも多大な影響を与えました。
  • livetune (kz):「Tell Your World」(2011年)。Google ChromeのCMに起用され、ミクの世界的認知度を急上昇させた名曲です。
  • DECO*27:「ゴーストルール」(2016年)、「ラビットホール」(2024年)など。中〜後期の代表格で、独特のサウンドとポップな歌詞が特徴。
  • 40mP:「からくりピエロ」(2010年)など。透明感ある声質と切ないメロディで人気です。
  • ピノキオピー:「転生林檎」(2022年)、「神っぽいな」(2023年)など。多くのアレンジやカバーが生まれたヒット曲があります。
  • doriko:「ロミオとシンデレラ」(2009年)、など。メルヘンな要素を取り入れた曲が人気。
  • samfree:「ルカルカ★ナイトフィーバー」(2009年)、など。ミク・ルカを使ったダンサブルな曲で知られます。
  • ハチ(米津玄師):「マトリョシカ」(2011年)。「ドーナツホール」(2012年)で知られる米津玄師さんのボカロ曲。ギターとミクの声の化学反応が絶妙です。
  • 日向電工:「ブリキノダンス」など。切なさと透明感のあるナンバーが特徴。
  • syudou:Adoの代表曲「うっせぇわ」をはじめ、「神頼み」などのオリジナル曲も数多く発表。

また、ツミキさんの「フォニイ」(2021年)は、和楽器バンドや歌い手ほか多くのアーティストがカバーする超人気曲で、公開から数年経った今も高い支持を得ています。吉田夜世「オーバーライド」(2023年)はユニークなPVで話題となり、2024年末時点でYouTube再生数が5,400万回を超えました。ゆこぴ「強風オールバック」(2023年)はシュールな歌詞とリコーダーがクセになる一曲で、日清カップヌードルCMにも使われて大ヒットしました。

これら名曲の数々はネットの盛り上がりを象徴し、カラオケランキング入りやアニメ・広告タイアップなど、ボカロ文化を一般に広める役割も果たしてきました。

【著者コメント】
昔の歌と最新のヒットを聴き比べるだけでも、ボカロの変遷が感じられて面白いですよね!私は稲葉曇さんやChinozoさん、Kanariaさんの曲も好きでよく聴いています。

ボカロのキャラクター紹介

ボカロといえば、キャラクターも大事な要素です。クリプトン社が手がけた代表的な音源には、初音ミク(2007年)、鏡音リン・レン(2007年)、巡音ルカ(2009年)、さらに初期VOCALOIDのMEIKO(2004年)とKAITO(2006年)などがいます。これらはすべて歌声ライブラリに対してイラスト・設定があるキャラで、公式ライブでは3D映像で踊って歌います。

また、クリプトン以外でも人気音源が続々登場しました。GUMI(Megpoid)や結月ゆかりIAなど、声優や歌手が声を提供したボカロが多数あります。さらに近年は別会社のキャラクターも登場。ボカロとは厳密には違いますが、可不(KAFU)は、VTuber「花譜(カフ)」をベースに作られたCeVIOの歌声AIです。深層学習によって花譜さんの声質や歌い方を再現することができ、自由なピッチ編集も可能です。

他にも、合同会社インターネットからは「紲星あかり(きずなあかり)」というVOCALOID6用の声も生まれています。さらに、ボカロとは別系統ですが、Synthesizer V(シンセサイザーブイ)という歌声合成ソフトも注目されています。これは中国のDreamtonics社製で、VOCALOID同様にメロディと歌詞からリアルな歌声を作成できるソフトウェアシリーズです。

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初音ミク

初音ミクはクリプトン社が2007年に発売した第2世代ボカロの第一号キャラクター。

長い青緑のツインテールとスタイリッシュな衣装がトレードマークで、「次世代の歌姫」として一気に人気を集めました。誕生以来、ネット文化を代表する存在となり、「ワールドイズマイン」や「Tell Your World」など多くの名曲で歌われています。

公式ライブ(マジカルミライ)では3Dホログラムのステージで大勢のファンを熱狂させ、今や世界中で愛されるキャラとなっています。歌声合成ソフトとしては、パソコンに歌詞やメロディを打ち込むだけでオリジナル曲が作れるのも魅力。声優・藤田咲さんの声をもとにした澄んだ歌声で、初心者からクリエイターまで幅広い層に親しまれています。

【初音ミクの代表的な楽曲】
・バグ / かいりきベア
・千本桜 / 黒うさP
・神っぽいな / ピノキオP
・初音ミクの消失 / cosMo@暴走P
・砂の惑星 / ハチ
・三日月ステップ / r-906
・ダーリンダンス / かいりきベア
・エイリアンエイリアン / ナユタン星人
・脳漿炸裂ガール / れるりり
・みくみくにしてあげる♪ / ika
・桜ノ雨 / halyosy
・ローリンガール / wowaka
・ウミユリ海底譚 / n-buna
・ロミオとシンデレラ / doriko

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鏡音リン・レン

鏡音リン・レンはクリプトン社の双子をイメージしたバーチャルシンガーデュオです。金髪の14歳(声は声優・下田麻美さん)がパートを分けて歌います。2007年末にVOCALOID2ソフトとして登場し、発売から8か月で約2万本を出荷する大ヒットを記録しました。

リンが明るいかわいらしい少女声、レンがハキハキした少年声で、それぞれ「千本桜」や「裏表ラバーズ」などで活躍。クリエイターの間では人気のコンビで、デュエット曲からバラードまで幅広いジャンルで歌われています。

【鏡音リンの代表的な楽曲】
・ロストワンの号哭 / Neru
・メランコリック / Junky
・悪ノ娘 / 悪ノP
・炉心融解 / iroha
・東京テディベア / Neru

【鏡音レンの代表的な楽曲】
・ベンゼン / オワタP
・イケ恋歌 / れれれP
・テレキャスタービーボーイ / すりぃ
・ツンデ恋歌 / れれれP
・パラジクロロベンゼン / オワタP

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巡音ルカ

巡音ルカはクリプトン社の第3弾ボカロで、20歳の大人っぽい女性キャラクター。ピンク色の長い髪と少し低めのセクシーな声が特徴です。

2009年に登場した際、日本語と英語の両方に対応する初めての音声ライブラリとして注目されました。日本語歌声と英語歌声の2種類を収録しており、英語を交えた洋楽風の楽曲制作にも強いのが魅力。

国内外で人気が高く、代表曲には英語で歌う『Just Be Friends』や日本語の『Scarlet』などがあります。

【巡音ルカの代表的な楽曲】
・Just Be Friends / Dixie Flatline
・ダブルラリアット / アゴアニキ
・ルカルカ★ナイトフィーバー / samfree
・抜錨 / ナナホシ管弦楽団
・インタビュア / クワガタP

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MEIKO / KAITO

MEIKOとKAITOはボーカロイド第1世代を代表するキャラクターです。

MEIKOは2004年11月にクリプトン社から発売された日本初の女性日本語ライブラリ、KAITOは2006年2月に発売された初の男性日本語ライブラリとして登場しました。

当時としては珍しい日本語歌声で話題となり、コーラス用途の仮歌などにも広く使われました。発売から年数が経った今でも根強いファンがおり、最新バージョンへのアップデートが続けられています。

【MEIKOの代表的な楽曲】
・悪食娘コンチータ/mothy_悪ノP
・忘却心中/yuukiss
・Nostalogic(ノスタロジック)/yuukiss
・Change me/shu‑t
・Piano×Forte×Scandal/OSTER project

【KAITOの代表的な楽曲】
カンタレラ / WhiteFlame
1/4/Circus‑P
Doctor = Funk Beat/nyanyannya
シャンティ/wotaku
Stepping on Your Shadow/Peperon P

可不

可不(KAFU)は、神椿スタジオが制作したCeVIO AI(人工知能)歌唱ソフトのキャラクターです。

バーチャルシンガー花譜(KAF)をモデルにした「音楽的同位体」として2021年にリリースされました。

開発には深層学習を利用しており、花譜さん本人の歌声を元にリアルな歌声を合成できます。AIならではの滑らかな発声で、可不自身の楽曲「不可解」などでその実力を発揮。VOCALOIDではなくCeVIO AIエンジンを使う点も特徴です。

【可不の代表的な楽曲】
・フォニイ / ツミキ
・きゅうくらりん / いよわ
・マーシャル・マキシマイザー / 柊マグネタイト
・キュートなカノジョ / syudou
・生きる / 水野あつ
・私のドッペルゲンガー / DIVELA
・CH4NGE / Giga
・アクラシア / 青栗鼠
・ハナタバ / MIMI
・はたらきたくない! / よわいさかな 

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Synthesizer V

『Synthesizer V』は、Dreamtonics社が開発・提供する歌声合成ソフトウェアシリーズで、2018年に技術プレビュー版が公開されました。

VOCALOIDシリーズとは別系統で、サンプリングとニューラルネットワークを組み合わせた高度な合成技術を採用。初期からAI技術を取り入れたエンジンで、高品質な歌声が評判です。

英語・日本語・中国語・韓国語・スペイン語など多言語対応の歌声ライブラリが揃い、多くのクリエイターが独自のボイスバンクを発表しています。標準版はフリー版もあり、初心者でも気軽に試せるのも魅力の一つです。

ボカロ文化の世界的な広がり

ボカロ文化は日本発祥ですが、世界にもファンが広がっています。日本では毎年夏に初音ミク「マジカルミライ」というライブ&展示イベントが開催され、多くのクリエイターが参加して盛り上がっています。またHATSUNE MIKU EXPOという名で2014年から海外ツアーも行われており、2024年までに世界46都市で111公演が行われているなど(2014年のジャカルタ公演からスタート)、各国のファンを熱狂させています。

海外のアーティストとも交流が生まれています。2014年には初音ミクがレディー・ガガの北米ツアーでオープニングアクトを務めるサプライズがありました。また、PharrellやDavid Lettermanの前でもパフォーマンスし、海外メディアでも「ミクは音楽界の未来」などと注目を浴びました。

世界各地で開催されたライブでは、その国の言葉で歌う曲も披露され(例:ジャカルタ公演でインドネシア語曲披露)、まさにワールドツアーと言える盛り上がりです。

近年の大舞台では、2020年のCoachella(コーチェラ)音楽祭にも初音ミクが出演し話題になりました。しかし実際のフェスではホログラムでの出演ではなくLEDスクリーンでの映像上映となり、ファンの間で大きな騒ぎになりました。

それでも「遠くまでツアーで来てくれた!」と喜ぶファンも多く、コーチェラをはじめとした海外フェスやライブでミクが紹介されたことは、日本のボカロ文化の認知度向上に大きく貢献しました。

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まとめ

ボカロは、技術と創造力が融合した新しい音楽文化です。プロのミュージシャンから個人のクリエイターまで、誰もが自分の世界を音楽で表現できることが最大の魅力といえるでしょう。近年では、ライブや映像作品など表現の幅も広がり、ボカロは単なるソフトではなく一つのカルチャーとして確立されつつあります。未来へと進化し続けるボカロ文化から、今後も目が離せません!

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