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アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』OP・ED、劇場版主題歌を解説

『ぼっち・ざ・ろっく!』は、はまじあきさんが描く青春バンド漫画で、芳文社「まんがタイムきららMAX」にて連載中です。累計発行部数は300万部を突破し、アニメ化によってその人気が一気に拡大しました。物語は極度の人見知りで陰キャな少女・後藤ひとりが、ひょんなことから結束バンドというガールズバンドに加入し、仲間との絆や音楽活動を通じて少しずつ成長していく姿を描いています。リアルなバンド活動の描写とコミカルな日常描写が絶妙に絡み合い、共感と笑い、そして胸が熱くなるドラマが詰まった作品です。

結束バンドをはじめとしたアーティストが奏でる楽曲の魅力や、それぞれの曲が作品の世界観や登場人物の心情をどのように彩っているかを丁寧に紹介していきますね。
ぼっち・ざ・ろっく!の作品概要
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— アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」公式 (@BTR_anime) November 5, 2022
#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/ceV09gp1IM
まずは『ぼっち・ざ・ろっく!』の基本情報について紹介します。アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』は、内気でギター初心者の主人公がバンド活動を通じて成長していく青春物語です。独特なキャラクターたちとリアルな音楽シーンの描写が話題を呼び、多くのファンを獲得しています。コミカルな要素と感動的な瞬間が絶妙に融合し、日常の中で夢を追う姿が共感を集める作品です。2023年の1月9日付の音楽ランキングで3冠を達成するなど、アニソンの枠を超えて幅広い音楽ファンから人気を獲得しました。
アルバム「#結束バンド」
— アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」公式 (@BTR_anime) January 6, 2023
オリコン調べ 2023/1/9付 ランキングにて、
「週間合算アルバムランキング」
「週間アルバムランキング」
「週間デジタルアルバムランキング」(2週連続)
音楽ランキング3冠達成となりました。
沢山のご声援、誠にありがとうございます。#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/qGjnXKE2M6
◾️ アニメの制作会社
『ぼっち・ざ・ろっく!』のアニメ版は、CloverWorksが制作を担当しました。CloverWorksは『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』や『SPY×FAMILY』など、繊細な描写と高いクオリティーで知られる制作会社です。本作でもライブシーンの迫力や、後藤ひとりの妄想シーンでのユニークな演出が高く評価されました。背景美術やキャラクターの表情も非常に細やかで、音楽と映像の一体感が抜群です。CloverWorksの技術力が作品の魅力を引き出しています。
◾️ あらすじ
『ぼっち・ざ・ろっく!』は、人付き合いが苦手な高校生・後藤ひとりが主人公です。彼女は中学時代からギターに没頭し、動画投稿サイトで「ギターヒーロー」として活動していましたが、実生活では友達がいない状態でした。そんな中、結束バンドに加入したことをきっかけに、少しずつ仲間との距離を縮めていきます。ライブハウスでの活動やメンバーとの日常を通して、自分の殻を破ろうともがく姿が描かれています。音楽×青春のバランスが楽しめる作品です。
主な登場人物
登場人物 | 声優 |
---|---|
後藤ひとり | 青山吉能 |
伊地知虹夏 | 鈴代紗弓 |
山田リョウ | 水野朔 |
喜多郁代 | 長谷川育美 |
廣井きくり | 千本木彩花 |
伊地知星歌 | 内山夕実 |
PAさん | 小岩井ことり |
後藤ふたり | 和多田美咲 |
【OP】
アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の第1期オープニングを彩るのは、劇中バンド・結束バンドによる楽曲です。作品の世界観とリンクした歌詞やサウンドが、物語の幕開けを鮮やかに演出しています。主人公・後藤ひとりの葛藤や成長を音楽で表現しつつ、バンドとしての一体感も描かれる本作の魅力を象徴する一曲です。



この章では、そのオープニング曲について詳しく解説していきます。
◾️ 青春コンプレックス / 結束バンド
結束バンドの『青春コンプレックス』は、アニメの登場人物の感情を描き出すような疾走感が魅力のナンバーです。
イントロから一気に加速するバンドサウンドが心をつかみ、ギターのリフが印象的に響きます。
力みすぎないボーカルが持つ絶妙な空気感が、作中で描かれる葛藤や成長と重なっていくのが特徴です。
展開も緩急がありつつ、疾走するリズムとギターの音が絶えず耳に残ります。
何度も聴くほどに主人公の視点とリンクしていく構成で、作品全体の世界観とも深く結びついています。
アニメを彩るオープニングとして物語への期待感を高める1曲です。
【ED】
◾️ Distortion!! / 結束バンド
結束バンドの『Distortion!!』は、重めのギターリフと勢いある展開が印象的なエンディングテーマです。
イントロから鳴り響く歪んだギターが楽曲の空気を決定づけています。
リズムはアップテンポでありながら、どこか不安定さも漂わせる構成が作品のテーマと重なります。
ボーカルも力みすぎず、バンドの一体感とともに走り抜けるような仕上がりです。
随所で聴こえるギターのフレーズが感情を後押ししており、映像とも相まって物語を彩っています。
作品全体の世界観に寄り添う音像が魅力で、アニメの余韻を強く残してくれる1曲です。
◾️ カラカラ / 山田リョウ(水野朔)
山田リョウを演じる水野朔さんが歌う『カラカラ』は、低めのテンションとクールな空気が心地よい楽曲です。
重ためのギターとゆったりしたリズムが組み合わさり、淡々とした雰囲気を生み出しています。
派手さはないものの、内面に秘めた複雑な感情をじわじわと表現する構成が魅力です。
水野さんのボーカルも感情を抑えつつも熱を帯びていき、曲の終盤に向けて深みを増していきます。
山田リョウというキャラクターが持つ孤独感や迷いが音に重なり、静かに余韻を残します。
キャラクターソングとしてだけでなく、1つの楽曲としても高い完成度を誇ります。
◾️ なにが悪い / 伊地知虹夏(鈴代紗弓)
伊地知虹夏役の鈴代紗弓さんが歌う『なにが悪い』は、軽快なドラムと跳ねるようなリズムが特徴です。
ポップで明るい音作りが、彼女の性格そのままに反映されています。
イントロから元気よく響くドラムに心が躍り、展開も次々と変化して飽きさせません。
ボーカルも張りすぎず自然体で、聴き進めるほどにキャラクターの前向きな姿勢が感じ取れます。
歌の裏側には葛藤も感じられ、その表現の幅広さがこの曲の持ち味です。
作品を知らなくても単体で魅力が伝わる1曲で、アニメの世界観をさらに深く楽しめる仕上がりです。
◾️ 転がる岩、君に朝が降る / 後藤ひとり(青山吉能)
後藤ひとりを演じる青山吉能さんが歌う『転がる岩、君に朝が降る』は、壮大な展開が印象的な1曲です。
静かなイントロから始まり、徐々に音が重なっていく流れが感情の変化を映し出しています。
ギターのフレーズが次第に力を増していき、サウンド全体が一つにまとまっていく過程が心に残ります。
青山さんのボーカルも、最初は抑え気味ながら後半にかけて熱量を増していきます。
まさに後藤ひとりが成長していく姿とリンクしており、楽曲としての完成度も高いです。
作品のクライマックスを彩る重要な曲で、物語にさらなる深みを与えてくれる存在です。
【劇中歌】
物語を盛り上げるうえで欠かせない存在となっているのが、数々の劇中歌です。バンドとしての挑戦や絆を音楽で描き出し、キャラクターの心情とも重なりながら物語を立体的にしていきます。ライブシーンをはじめ、日常のドラマを彩る挿入歌は、『ぼっち・ざ・ろっく!』の世界に深く引き込んでくれる要素のひとつです。



この章では、各挿入歌の魅力を紹介していきます!
◾️ ギターと孤独と蒼い惑星 / 結束バンド
結束バンドが劇中で披露する『ギターと孤独と蒼い惑星』は、静かな始まりから一気に駆け抜けていく展開が特徴です。
最初は淡々と紡がれる音と言葉がじわじわと心に染み込み、途中からバンドサウンドが一気に広がります。
ギターのフレーズが楽曲全体を支えつつ、メンバー全員の音が重なる瞬間に感動が押し寄せる構成です。
作品内での演奏シーンとリンクし、後藤ひとりの成長がそのまま音として形になっています。
個人の葛藤と仲間との絆が合わさる瞬間が、音の中に詰まっている楽曲です。
バンドアニメとしての魅力を凝縮した、結束バンドを象徴する1曲と言えるでしょう。
YouTubeチャンネルのTHE FIRST TAKEで演奏されたことでも話題を集めた楽曲です。気になる方はぜひ聴いてみてくださいね!
◾️ あのバンド / 結束バンド(第8話)
結束バンドが披露する『あのバンド』は、開放感あふれるサウンドと軽やかなリズムが心を引きつける楽曲です。
ギターが奏でる伸びやかなフレーズが印象的で、全体を包み込むように響きわたります。
疾走感のあるドラムとともに進んでいく展開が気持ちよく、聴き終わった後の余韻も鮮烈です。
曲全体から漂う前向きな雰囲気が作品とも調和し、ライブシーンの臨場感を引き立てています。
音が重なるたびに結束バンドの成長が伝わり、物語の背景も含めて深く楽しめる構成です。
演奏と感情がひとつになる瞬間を描いたような1曲で、作品の中でも重要な存在となっています。
◾️ ワタシダケユウレイ / SICK HACK
劇中に登場するSICK HACKによる『ワタシダケユウレイ』は、独自の浮遊感と重たいリズムが特徴の楽曲です。
淡々と刻まれるベースラインに重なるように、不安定でどこか影のあるボーカルが印象的に響きます。
ギターの音も鋭く、空間を切り裂くように鳴り続けることで緊張感が増していく展開です。
作品内では対バンという場面で披露され、その存在感が際立つ役割を担っています。
バンドらしい衝動と冷たさが同居しており、音そのものに独特の迫力があります。
この曲が放つ異質な雰囲気が、物語の流れにアクセントを加え、強く耳に残る仕上がりです。
◾️忘れてやらない / 結束バンド
結束バンドによる『忘れてやらない』は、青春時代に感じる切ない感情と鋭さを持つフレーズと情熱的なギターが響くロックナンバーです。イントロから印象的なギターリフが披露されており、進むにつれて感情が次第に溢れ出していく展開が心をつかみます。全体を支える重たいリズムが楽曲の世界観を深めており、言葉一つひとつが突き刺さるように響きます。バンドとしての力強い演奏が際立つ構成で、作品の中でも印象的な場面とリンクして胸に残ります。
感情が爆発する瞬間と抑え込む瞬間が交錯し、結束バンドの内に秘めた激しさを映し出している1曲です。
◾️ 星座になれたら / 結束バンド
『星座になれたら』は、結束バンドの中でも特に優しく切ない空気感をまとった楽曲です。
アルペジオが静かに鳴り始める導入から、少しずつ音が重なって広がっていく展開が美しく響きます。
ひとりきりの孤独と、仲間と出会って少しずつ変わっていく感情が音に宿っているように感じられます。
作品内の場面とリンクしながら、後藤ひとりの繊細な心の動きがそのまま音楽として流れていく印象です。
派手さはないものの、その静かな力が心を揺さぶり、結束バンドの楽曲の幅を感じさせてくれる楽曲です。
◾️フラッシュバッカー / 結束バンド
結束バンドが持つ激しさと複雑な感情をそのままぶつけたようなロックナンバー、『フラッシュバッカー』。
イントロから鋭く突き刺さるギターが鳴り響き、畳みかけるようなリズムに乗せて次々に展開していきます。
全体を支える重厚なサウンドの中に、どこか不安定さを孕んだボーカルが絡みつき、緊張感を生み出します。
物語の流れとも深く結びつき、葛藤や迷いを内包しながらも前へ進もうとする意志がしっかりと表れています。
勢いだけでなく細部まで緻密に構築された構成が魅力で、ライブシーンの熱量もそのまま音として響きます。
劇場版『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:』前編
劇場版『ぼっち・ざ・ろっく!』では、新たに制作された主題歌や挿入歌が加わり、物語がさらにスケールアップしています。アニメ本編の総集編でありながら、音楽による新たな感動が詰め込まれた構成となっており、ファンはもちろん初めて作品に触れる人にとっても強く印象に残る楽曲が揃っています。



この章では、劇場版で使用された楽曲を詳しく解説します。
◾️【OP】月並みに輝け / 結束バンド
『月並みに輝け』は、劇場版のために新たに制作された楽曲で、バンドメンバーのリアルな感情が詰め込まれています。序盤から刻まれるギターが胸に残り、軽快さの中にもどこか不器用な想いがにじむ構成が印象的です。
これまでの楽曲よりも少し明るく感じられるサウンドが、成長したバンドの雰囲気を映し出しています。
疾走感に満ちた展開が作品のスタートを鮮やかに彩り、劇場版としての新たな物語の始まりを象徴しています。
迷いや不安を抱えながらも一歩踏み出していく姿を音で描き、後藤ひとりの心情にも寄り添う楽曲です
◾️今、僕、アンダーグラウンドから / 結束バンド
『今、僕、アンダーグラウンドから』は、静けさの中に力強い決意を秘めたエンディング曲です。
ギターの音色が丁寧に紡がれていき、徐々に音が広がっていく流れが映画の余韻と重なって響きます。
メンバーたちの物語を振り返りながら、自分自身と向き合ってきた過程を静かに肯定してくれる印象です。
決して派手ではないものの、一つひとつの音がしっかりと意味を持ち、じわじわと心に染み込んでいきます。
作品の締めくくりとしてふさわしい存在であり、劇場版を観た後に心に残る情景が浮かぶ楽曲です。
劇場版『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:』後編
◾️ ドッペルゲンガー / 結束バンド
『ドッペルゲンガー』は、重く鋭いロックサウンドが印象的な一曲です。
イントロから響くギターのフレーズが不穏さを漂わせ、葛藤や自問自答の感情を鋭く描き出しています。
演奏が進むにつれ、徐々に高まっていく緊張感が胸を締めつけてくるような感覚を与えてくれます。
結束バンドの成長とともに深まる音楽性が感じ取れる構成で、劇場版後編の幕開けにふさわしい楽曲です。
自己と向き合うテーマが一貫して流れており、後藤ひとりの内面に寄り添った世界観が際立っています。
◾️Re:Re: / 結束バンド
『Re:Re:』は、劇場版後編のラストを飾るにふさわしいエンディング曲として制作された楽曲です。
冒頭から穏やかな音色が静かに広がり、少しずつ厚みを増していく展開が心地よく耳に届きます。
バンドとしての歩みを振り返るような内容で、これまでの楽曲と呼応しながら物語に終止符を打つ存在です。
落ち着きのある演奏とボーカルが印象に残り、余韻が長く続くような感覚を味わわせてくれるでしょう。
過去と現在をつなぐようなテーマが込められており、作品全体の締めくくりとして美しく響いています。
まとめ
『ぼっち・ざ・ろっく!』の主題歌や劇場版楽曲は、作品の魅力を音楽で豊かに表現しています。結束バンドを中心に、それぞれの楽曲が登場人物の感情や物語の展開を巧みに映し出し、多彩な音の世界を築いています。OPやED、劇中歌まで幅広く楽しめるため、作品ファンのみならず音楽好きにも響く内容です。各曲が持つ個性が重なり合い、アニメと劇場版の両方を通じて深い感動と共感を呼び起こしています。これからも彼女たちの音楽と物語の繋がりから目が離せません。
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