目次
・YouTubeで公開された自作MVが注目を集めたバンド
2022年8月に結成された大阪発の3ピースバンド、ブランデー戦記。蓮月さん(G, Vo)、みのりさん(Ba, Cho)、ボリさん(Dr)のメンバーで結成されました。
ギターとベース、ドラムによる情熱的なロックサウンドにのせて、さまざまな文化や芸術からの影響を感じられる独自の世界観を持つ楽曲をリスナーに届けています。
バンドのスタジオでの練習風景や日常の場面が撮影された『Musica』がYouTubeに投稿されると、瞬く間に音楽ファンから注目を集めました。2023年には本格的音楽活動を開始し、8月から1st EP『人類滅亡ワンダーランド』のリリースツアーを実施。
国内の音楽フェスにも積極的に出演しており、幅広い舞台で活躍の幅を広げています。彼女らが出演したフェスの一例は以下の通りです。
・COUNTDOWN JAPAN 23/24
・JAPAN JAM 2024
・VIVA LA ROCK2024
・DAIENKAI 2024
・スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2024
・SWEET LOVE SHOWER 2024
2022年8月から現在まで、わずかな活動期間でありながら、自作のMVや独自の世界観が広がるロックサウンドが若者を中心に着実な人気を獲得するブランデー戦記。
今回の記事では、音楽フェスや単独ライブなどを精力的に行うロックバンドの魅力やおすすめの楽曲を紹介していきます。
・音楽フェスの出演やリリースツアーを積極的に行う
ブランデー戦記のライブを目撃した際に、疾走感のあるバンド演奏や突き抜けるようなボーカルと合わせて、目に入るのがロックバンドをイメージさせるビジュアル。
ときにクールで、艶やかな表情をみせる3人の演奏する姿が印象に残ります。
登場SEでは、The Pixiesの『Where Is My Mind?』を使用しており、オルタナロックの影響を受けていることが伺えます。
自らの人生観や恋愛観を含めた、どこか哲学的な魅力を持つフレーズを生かした楽曲が多く、無骨なサウンドにちりばめられた歌詞から独自の世界観が伝わるでしょう。
単独ライブや大型音楽フェスの出演を行うバンドでありながら、YouTubeをきっかけに注目を集めるなど、SNSの発達した現代のヒットの流れを象徴するバンドともいえます。
・インディーロックやオルタナティブロックの影響を感じられる音楽性
ブランデー戦記の楽曲の作詞作曲は、ギターボーカルを務める蓮月さんが手掛けています。
愛する人によって語り掛けるフレーズが響く曲や、世界の終わりを願う人びとの気持ちを歌う曲など、聞き手によってさまざまな解釈ができる歌詞が印象的です。
シンセなどの打ち込みの音源を使用せず、メンバーの演奏を存分に体感できる3ピースバンドのロックサウンドは、UKロックやグランジ、インディーロックの影響も感じられます。
重厚なロックとポップな音色が重なり合うメロディーが特徴で、日本の歌謡曲や洋楽ロックを昇華したオリジナルのバンドサウンドを作り出しています。
楽曲に寄り添いながら、個々の楽器の演奏技術を披露するベースのみのりさんとドラムのボリさんの楽器隊と、ディストーションの効いたギターリフが絡むサウンドからは、70’Sや80’Sの洋楽ロックをイメージする方もおられるでしょう。
ロックバンドの名前や歴史的なできごとが歌詞に散りばめられており、さまざまな観点から楽しめる彼女らの曲をチェックしていきましょう。
・ブランデー戦記の人気曲・定番曲
ブランデー戦記は、2023年8月9日にリリースされた『人類滅亡ワンダーランド』と2nd EP『悪夢のような1週間』の楽曲を中心にライブ活動中。今回は、音楽フェスやライブハウスなどで演奏されることが多い曲を紹介していきます。
■Musica
彼女らの代表曲であり、YouTubeに投稿されたMVをきっかけに注目を集めた『Musica』。
ギターとベース、ドラムの絡み合うリズミカルなバンド演奏にのせて音楽と恋愛について歌われており、愛する人に語り掛けるサビのフレーズが特に印象に残ります。
ギターボーカルを務める蓮月さんの歌声は、どこかアンニュイな雰囲気がただよっており、AメロからBメロまで語り掛けるようなボーカルが特徴。
サビの開放的なサウンドに乗せたエモーショナルな歌声からはさまざまな感情が読み取れるでしょう。
クールかつ情熱的な楽曲は、リリースから瞬く間に話題を呼び、彼女らの名を一躍有名にしました。
音楽と愛する人に向けたストレートな言葉が響くロックナンバーです。
■Kids
子供時代に見た風景を切り取った独自のフレーズと、アグレッシブなバンド演奏が響く『Kids』。
イントロのギターの低音域を使用した重厚なリフから幕を開けると、疾走感のあるドラムとベースが加わります。
生まれた直後の視点のように、世界に語りかけるような歌詞が特徴。
愛する人は一体誰なのか、リスナーによって解釈が異なるフレーズが楽曲に深みを持たせます。
この曲のポイントは、スリリングな雰囲気を持つサウンドが響く数十秒間にわたる間奏。
ロックンロール調のドラミングから広がる情熱的な展開がクールな楽曲です。
■僕のスウィーティー
若者が抱える不安や葛藤を散りばめたフレーズがロックサウンドにのせて届けられる『僕のスウィーティー』。
たたみかけるようなドラムのイントロから始まり、Aメロに入ると静けさのあるメロディーが展開。
クラーク博士をイメージさせる歌詞と、進学を前にして逃避行を試みる主人公の姿が描かれています。
社会に向けて反発する姿勢と自身に対するアイロニーが込められた歌詞からモラトリアムに抱える感情が伝わるでしょう。
疾走感のあるバンド演奏にのせて、駆け抜けるようなロックサウンドが響く楽曲です。
・ブランデー戦記のオススメ曲
■黒い帽子
明るい曲調とリズミカルなバンド演奏が展開する『黒い帽子』。
歌詞の冒頭では、社会に向けた素直な言葉が歌われており、誰しもが感じたことのある親しみのある思いが込められたフレーズが展開します。
アメリカ出身のロックバンド、ザ・ストロークスの曲を聴くことで気分を落ち着かせる様子が描かれており、ソングライティングの背景が浮かぶ歌詞が印象的。
自分の好きなロックスターがテレビ出演したときの素直な感情を描いています。
芸術的な作品と自身の思いを絡めた独自の世界観が広がるミディアムナンバーです。
■ストックホルムの箱
2023年にシングル曲としてリリースされた『ストックホルムの箱』。
1973年にスウェーデンのストックホルムで起きた銀行強盗事件で、人質が犯人に同情したことから名付けられた心理現象をイメージさせます。
シングルのジャケットに描かれた『BRANDY BANK』という言葉からも銀行強盗と被害者の姿が浮かぶでしょう。
他者に支配された恐怖だけでなく、生き延びるための術を身に付ける人間の生存本能が影響している現象を体験する様子が描かれており、疾走感のあるバンド演奏にのせて展開。
犯人と愛を深めることで、他者からの意見が入らなくなる様子を歌う蓮月さんの突き抜けるようなボーカルからは恋愛感情が伝わるでしょう。
どこかポエティックな要素を含む歌詞と駆け抜けるようなサウンドが魅力的な楽曲です。
■サプリ
落ち着きのあるギターの音色が響く演奏から幕を開ける『サプリ』。
ギターの弾き語りとベース音のみのシンプルな音色にのせて蓮月さんの語りかけるな歌唱が展開します。
愛する人への切ない思いと月の満ち欠けをテーマにした歌詞で構成されており、途中から情熱的なギターリフとベース、ドラムの絡み合うサウンドへと変化。
どこかアンニュイな歌唱を届ける彼女の姿からは切なさや寂しさが伝わるでしょう。
20年弱生きたきた等身大の思いを歌い上げるラストのフレーズが心に残る楽曲です。
・最新情報
ブランデー戦記は2024年8月21日に2nd EP『悪夢のような1週間』をリリース。
2023年に発売された『ストックホルムの箱』のほか、5曲を収録しています。EPの発売に先立ち、8月7日には表題曲が配信リリース。
2nd EPのリリースを記念したツアーは以下の通りです。
2024年8月24日(土)東京・恵比寿LIQUIDROOM
OPEN 17:00 / START 18:00 w /w.o.d.
2024年8月25日(日)大阪・心斎橋BIGCAT
OPEN 17:00 / START 18:00 w /礼賛
・最後に
どこか哲学的であり、さまざまな表情が読み取れるフレーズと、マイナー調の情熱的なロックサウンドが響く演奏が印象に残るバンドを紹介してきました。
ライブ演奏の際は、3ピースバンドのグルーヴ感を体験できるとともに、思わず拳を上げたくなるような熱が伝わるでしょう。
アメリカのロックバンドや小説、ヨーロッパの歴史的なできごとなどが歌詞に登場するので、文化や音楽に興味や関心が深い方も楽しめますよ。
退廃的でありながら情熱的なオルタナティブロックの系譜を次世代に継ぐ新進気鋭のロックバンドです。
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