本を読み終えたときの何とも言えない感情は、独特のものがありますよね。
登場人物の言葉が頭にずっと残る経験 をした方 もおられるかと思います。
そこでこの記事では、短編小説や詩のような魅力を持つ楽曲 をまとめてピックアップしました。
主人公の心情や物語の結末が気になる曲の歌詞を読みながら聴いてみるのも オススメですよ。
日本語の美しさや言葉の重みを感じられる邦楽をぜひチェックしてみてくださいね。
目次
短編小説のような読後感のある曲。文学的な邦楽
■K / BUMP OF CHICKEN
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小説のようなストーリーが展開する楽曲をお探しの方に特にオススメしたい曲が『K』。BUMP OF CHICKENが2000年にリリースしたアルバム『THE LIVING DEAD』に収録されており、黒猫を主人公に描いた物語が胸を打つ楽曲です。孤独な毎日を過ごす黒猫が絵を描く人と出会い、人の優しさを知るストーリーが展開します。これまで受けてきたつらい記憶から信用することが怖くなる様子もリアルに歌い上げており、緊迫感のあるバンド演奏が黒猫の心情を伝えるでしょう。物語の結末まで必読かつ必聴のナンバーです。
■月に吠える / ヨルシカ
若者を中心に共感を集める楽曲が話題を呼ぶ音楽ユニットのヨルシカが2021年にリリースした『月に吠える』。大正時代に活躍した文学作家、萩原朔太郎の詩集に収録されている作品をモチーフに制作された楽曲です。月夜が満ちる夜の街を歩く主人公の姿を描くとともに、どこか切ない心情が歌い上げられています。心のなかの葛藤や不安を表現した歌詞と静けさのあるピアノの音色からも独特の世界観が伝わるでしょう。温かみのあるストリングスとsusisさんの透きとおる歌声が響くナンバーです。
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ヨルシカの楽曲は、その詩的な歌詞と独特なメロディーで、リスナーを引き込む力があります。しかし、メロディラインやリズムが複雑な曲も多いため歌うのが難しいと感じることもあるでしょう。小説のような世界観が広がる歌詞と透き通るような歌声により、感情豊かに表現されることが彼らの曲の魅力です。
■三文小説 / King Gnu
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安価で手に入り、質の低い小説のことを意味する三文小説。商業的な小説を揶揄する言葉をテーマにした楽曲を2020年に制作したのがKing Gnu。世界中から忘れられてしまったり、生きることに不安を覚える現代社会の人びとに向けた温かいメッセージが込められており、壮大な展開をみせるロックサウンドとともにリスナーの心をつつみこみます。独唱のように大切なひとに向けて語りかけるフレーズが印象的で、年を重ねることへの不安な気持ちに寄り添う言葉が胸に響く楽曲です。
■もしも命が描けたら / YOASOBI
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鈴木おさむさんが演出を務めた舞台『もしも命が描けたら』のテーマ曲として制作された楽曲。J-POPシーンをけん引する存在として注目を集める音楽ユニットのYOASOBIが2022年にリリースしており、物語性のある歌詞が胸を打つセンチメンタルな恋愛ソングです。2人の愛し合う若者の感情を歌い上げる歌詞と美しくもはかないピアノのメロディーがマッチ。大切な人と過ごした日々の終わりを迎える主人公の気持ちが伝わるでしょう。人生の1ページを描く小説のような魅力が詰まった楽曲です。
■クロノスタシス / きのこ帝国
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シューゲイザーやロックを取り入れた独自のサウンドをリスナーに届けるバンド、きのこ帝国。彼女らの楽曲のなかでも読後感のある曲をお探しの方にオススメしたい曲がこちらの『クロノスタシス』。コンビニの帰り道を歩く2人の様子を描いており、夜のメロウな雰囲気を伝えるとともに切ない感情を歌い上げています。リズミカルなバンド演奏のなかで際立つ、幻想的なギターサウンドからも夜の街がイメージできるでしょう。なにげない会話をする2人のさまざまな関係性が思い浮かぶナンバーです。
■若者のすべて / フジファブリック
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和の雰囲気を持つロックサウンドが独特の世界観を生み出すバンド、フジファブリック。彼らの代表曲でもあり、小説のような雰囲気を持つ曲といえば『若者のすべて』。2007年にリリースされて以降、数多くのアーティストからもカバーされている名曲です。ピアノとアコースティックギターの哀愁のある音色から幕を開けると、志村正彦さんの語りかけるような歌声が展開します。サビに向かって感情が高鳴る様子を描いており、夏が終わるときのセンチメンタルな感情が伝わる楽曲です。
■本当 / クリープハイプ
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小説のような魅力を持つ楽曲を数多く制作しているロックバンドのクリープハイプ。彼らが2014年にリリースしたアルバム『一つになれないなら、せめて二つだけでいよう』に収録された曲がこちらの『本当』。2人きりで夜の街を歩く様子を歌い上げており、日常生活のなかで感じるささやかな幸せが伝えられています。なかなか伝えられない本当の気持ちをかかえたまま、大切な人と過ごすリアルな毎日が共感を誘うでしょう。挨拶やしりとりの言葉遊びのなかに見え隠れする本音があふれだすナンバーです。
■紫 / TOOBOE
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桃ノ雑派さんの小説『老虎残夢』をモチーフに制作された『紫』。ボカロPとしても活動するTOOBOEさんが2021年に作り上げた楽曲です。スリリングな場面が思い浮かぶ歌詞とともに、リズミカルなバンド演奏が展開します。どんなに困難な現実が待ち受けていようとも、もう1度会いたいと思う人への素直な気持ちがあふれだす場面を描いた歌詞が印象的。愛憎を含んだ複雑な感情を歌い上げる言葉からさまざまな感情が伝わる楽曲です。日本語の美しさやはかなさを感じられる歌詞にも注目して聴いてみてください。
■虎 / ハンバートハンバート
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男女音楽デュオ、ハンバート ハンバートが2011年にリリースしたアルバム『さすらい記』に収録されている『虎』。誰もが感じるやるせない心情をテーマに描いた歌詞とピアノとボーカルで構成されたシンプルな音が心を打つナンバーです。ときどき憂鬱な気持ちになってしまったり、何も手につかなくなることは誰しもあるかと思います。そんな感情の動きに寄り添う温かいメッセージが心を癒やすでしょう。男女ツインボーカルの語りかけるような言葉とともにじんわりと響くナンバーです。
■僕が死のうと思ったのは / amazarashi
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数多くの小説のなかには、主人公のやるせない気持ちを素直に描いた作品もたくさんありますよね。独りきりで過ごす日々の切ない感情を歌い上げる『僕が死のうと思ったのは』は、まさに小説のような魅力が詰まった楽曲です。中島美嘉さんに提供された楽曲をamazarashiがセルフカバーしたバージョンを紹介します。人の優しさに触れたり、どうしようもない現実に打ちひしがれる様子を伝える歌詞とストレートなメロディーが胸を打つ楽曲です。
■終わりに
誰しもが感じる切ない気持ちや大切なひとに向けた伝えられない思いを届けてくれる楽曲を紹介してきました。小説のような魅力を持つ曲のなかには、1人きりで思いを伝えるものから2人のやりとりを描いたものまでさまざまな作品があったかと思います。数分間で読後感を味わえる邦楽の魅力が詰まったラインナップをぜひプレイリストに加えてみてくださいね。
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