アニメ『PSYCHO-PASS』の歴代主題歌！OP・EDを一挙に解説

近未来を舞台に、人間の心理状態を数値化する「シビュラシステム」によって犯罪を未然に防ぐ社会を描いた『PSYCHO-PASS』。2012年に放送されたTVアニメから始まり、映画やスピンオフ作品も展開されるなど、人気は衰え知らず。漫画版も複数刊行され、シリーズ累計発行部数は100万部を超えています。倫理観と正義が揺らぐストーリー、個性豊かなキャラクター、そして緻密なSF設定が魅力です。そんな本作を彩るのが、重厚で緊張感あふれる主題歌の数々。オープニングとエンディングには、作品の世界観を映し出す楽曲が選ばれています。

PSYCHO-PASSの作品概要

『PSYCHO-PASS』は、犯罪を未然に防ぐ未来社会を舞台にしたサスペンスSF作品です。リアリティのある近未来描写や、正義とは何かを問う深いテーマが多くの視聴者を惹きつけました。本章では、本作の制作会社やあらすじについて詳しく解説します。

◾️アニメの制作会社

『PSYCHO-PASS』のアニメーション制作を手掛けたのは、Production I.Gです。『攻殻機動隊』シリーズや『怪獣8号』など、ハイクオリティな映像で定評のあるスタジオであり、本作でもその実力を存分に発揮。スタイリッシュなビジュアルと重厚な世界観を細部まで作り込みました。また、ストーリー原案を担当したのは虚淵玄氏（ニトロプラス）。ダークな作風で知られる彼が描く倫理観と暴力が交錯する物語は、多くのアニメファンに衝撃を与えました。シリーズ構成や脚本には深見真氏や高羽彩氏が携わり、骨太なストーリーが展開されます。

◾️あらすじ

物語の舞台は、西暦2112年の日本。人々の心理状態や犯罪傾向を数値化する「シビュラシステム」によって、社会は秩序を保っていました。犯罪を起こす可能性が高い人物は「潜在犯」として事前に取り締まられ、治安は徹底的に管理されています。公安局刑事課一係に配属された常守朱は、新人監視官としてシビュラシステムの判断に従いながらも、次第にその正義に疑問を抱くようになります。彼女と、潜在犯でありながらも執行官として捜査に携わる狡噛慎也らの視点を通じて、「正義とは何か？」を問いかけるストーリーが展開されます。

登場人物

『PSYCHO-PASS』には、個性豊かで魅力的なキャラクターが登場します。本作の世界観を支える主要キャラクターと、それぞれの声を担当する実力派声優陣を紹介します。

◆常守朱（つねもり あかね） / CV. 花澤香菜本作の主人公で、公安局刑事課一係の新人監視官。真面目で優秀な頭脳を持ち、シビュラシステムの判断に疑問を抱きながらも正義を追求していく。シリーズを通して成長する姿が描かれる。

◆狡噛慎也（こうがみ しんや） / CV. 関智一元監視官であり、現在は公安局刑事課一係の執行官。冷静沈着で優れた洞察力を持つが、過去の事件をきっかけに潜在犯として扱われるようになる。正義への強い信念を持ち、シビュラシステムに対して反発心を抱いている。

◆宜野座伸元（ぎのざ のぶちか） / CV. 野島健児公安局刑事課一係の監視官。シビュラシステムを絶対視し、ルールを遵守する厳格な性格。狡噛とは対照的な考えを持つが、物語が進むにつれてその信念に変化が生まれる。

◆槙島聖護（まきしま しょうご） / CV. 石田彰第一期のメイン敵役。高度な知能とカリスマ性を持ち、シビュラシステムの欠陥を見抜いて行動する犯罪者。自身の哲学に基づき、人間の本質を試すような事件を引き起こす。

◆六合塚弥生（くにづか やよい） / CV. 伊藤静公安局刑事課一係の執行官。元ミュージシャンという異色の経歴を持ち、冷静かつクールな性格。チームの中ではサポート役として活躍することが多い。

◆縢秀星（かがり しゅうせい） / CV. 石田彰公安局刑事課一係の執行官。幼少期から潜在犯と判断され、社会に適応できなかった過去を持つ。明るい性格でムードメーカー的存在だが、シビュラシステムには強い不信感を抱いている。

◆唐之杜志恩（からのもり しおん） / CV. 沢城みゆき公安局の分析官。情報解析やハッキングの専門家で、公安局のシステムを駆使しながら捜査をサポートする。クールで大人びた女性。

PSYCHO-PASS(第1期)

『PSYCHO-PASS』の物語は、人間の精神状態を数値化し、社会を管理する近未来を舞台としています。犯罪を未然に防ぐためのシステムが存在する世界で、刑事たちは葛藤を抱えながらも職務を全うしていきます。シリーズの始まりとなる1期では、その独自の世界観を際立たせる主題歌が使用されました。オープニングとエンディングは、それぞれの視点から物語の魅力を表現しており、作品の持つテーマ性をより深めている楽曲を紹介します。

◾️【OP1】abnormalize / 凛として時雨（第1話 – 第11話）

凛として時雨が手掛けた『abnormalize』は、混沌とした世界観を表現する楽曲です。緊張感のあるギターとエレクトロニックな音が重なり、独自の雰囲気を作り出しています。高音と低音が交錯するボーカルは、静寂と激しさを行き来しながら、作品の持つテーマを色濃く反映しています。イントロから張り詰めた空気が漂い、激しいリズムが展開されることで、視聴者を一気に引き込みます。リズムの変化が多く、予測できない展開が続くため、何度聴いても新鮮な印象を受けます。楽器の使い方にもこだわりが感じられ、それぞれが複雑に絡み合いながらも、一体感のあるサウンドを生み出しています。アニメのオープニングとして流れる映像との相性も抜群で、ストーリーの根幹にある不安や緊迫感を一層引き立てています。曲の終盤にかけて盛り上がる構成は、物語の展開を示唆するかのように仕上がっています。作品の世界に深く入り込むきっかけとなる一曲です。

◾️【OP2】Out of Control / Nothing’s Carved In Stone（第12話 – 第22話）

Nothing’s Carved In Stoneが担当した『Out of Control』は、疾走感あふれるバンドサウンドが印象的な楽曲です。激しく鳴り響くギターとリズムの効いたベースが、アニメの後半にふさわしい緊張感を生み出しています。ボーカルのエネルギッシュな歌声が加わることで、よりダイナミックな印象が強まっています。曲が進むにつれて展開が変化し、熱量を増していく構成が特徴的です。ギターのフレーズには細かなアレンジが施されており、ベースとドラムの掛け合いも見どころのひとつです。リズムの刻み方や音の強弱が、ストーリーの激しさと見事にリンクしており、アニメの後半戦へと突入する勢いを感じさせます。映像と楽曲のシンクロ率が高く、登場人物たちの心理や状況が音楽を通してより鮮明に伝わります。全体を通して情熱的な雰囲気が漂い、作品のクライマックスへ向かう緊迫感をさらに高めています。何度も聴きたくなる魅力を持つ一曲です。

◾️【ED1】名前のない怪物 / EGOIST（第1話 – 第11話）

EGOISTによる『名前のない怪物』は、ダークで幻想的な雰囲気を持つ楽曲です。ピアノの旋律から始まり、重厚なビートが加わることで、独自の世界観が構築されています。ボーカルの響きが楽曲全体を包み込み、静かに始まる序盤と、次第に激しさを増していく展開が印象的です。音の構成が緻密に作られており、シンセサイザーの音色が神秘的な空気を生み出しています。低音がしっかりと効いたアレンジが、物語の持つ緊張感や深みをより一層際立たせています。楽器の配置にもこだわりが見られ、シンプルなリズムながらも奥行きのあるサウンドが楽しめます。エンディング映像と組み合わさることで、キャラクターの心情や物語の余韻を強く感じることができます。曲の持つ世界観が、作品のテーマと見事に調和し、聴くたびに新たな発見があるような奥深さを感じさせます。物語の影の部分を象徴するような一曲です。

◾️【ED2】All Alone With You / EGOIST（第12話 – 第22話）

EGOISTが歌う『All Alone With You』は、切なさと温かさを併せ持つ楽曲です。静かなピアノから始まり、徐々に壮大なアレンジへと展開していく構成が特徴的です。ボーカルの透明感のある声が印象的で、優しくも力強い響きを生み出しています。楽器のバランスが絶妙で、ピアノやストリングスが情緒的な雰囲気を作り出しています。楽曲が進むにつれて、壮大なサウンドへと変化し、ドラマティックなクライマックスを迎える流れが美しく仕上がっています。電子音と生楽器の組み合わせが絶妙で、音の層が深みを増していくのがわかります。エンディング映像とも調和しており、物語の余韻をより深く味わうことができます。アニメの展開を踏まえると、楽曲の持つ意味がより明確になり、聴くたびに異なる印象を受けるでしょう。作品の世界観に寄り添いながらも、独立した楽曲としての完成度も高い一曲です。

◾️挿入歌：Trigger Finger!!! / 滝崎リナ(声：渡辺明乃)（第12話 / 新編集版 第6話）

『Trigger Finger!!!』は、激しいビートと独特なリズムが際立つ楽曲です。冒頭から鋭いギターサウンドが響き、疾走感のある展開が印象的です。ドラムのビートは重厚で、一音ごとに緊張感が高まっていきます。ボーカルは鋭く響き、楽曲全体を引き締める役割を果たしています。メロディーは跳ねるような動きがあり、場面ごとに表情を変えていきます。低音の響きが強調されることで、曲の持つ激しさが一層際立ちます。楽器のアレンジにも工夫が凝らされており、細やかなフレーズが繰り返されることで、独特のグルーヴを生み出しています。重厚なサウンドと鋭いボーカルが絡み合い、圧倒的なエネルギーを放つ楽曲です。

PSYCHO-PASS(第2期)

1期で築かれた世界観を受け継ぎながら、さらに混迷を深めていくのが2期です。社会の裏側に潜む矛盾や、正義の在り方に揺れる登場人物たちの姿が描かれます。その激動の展開を彩る主題歌は、物語の進行とともに印象を変えていきます。オープニングは緊張感を高め、エンディングは余韻を残し、視聴後の感情をより引き立てるものとなっています。

◾️Enigmatic Feeling / 凛として時雨（全話 / 第1話 – 第11話）

凛として時雨による『Enigmatic Feeling』は、作品の世界観と緊張感を色濃く反映した楽曲です。激しく揺れ動くギターと特徴的なボーカルが絡み合い、混沌とした空気を生み出しています。冒頭から高揚感のあるリズムが展開され、楽器の一つひとつが鋭い音を放ちながらも、全体として統一感のある仕上がりとなっています。楽曲全体には、どこか不穏さを感じさせるアレンジが施されており、音の重なりが作品の緊迫した展開を思わせます。細やかなフレーズが積み重なり、瞬間ごとに異なる印象を生み出すため、何度聴いても新たな側面が見えてくるでしょう。リズムの展開にも注目すると、一定の流れを維持しつつも突如として変化する瞬間があり、聴き手を引き込む構成が取られています。終始スリリングな展開が続き、作品とともに記憶に残る一曲です。

◾️Fallen / EGOIST（全話 / 第1話 – 第11話）

EGOISTによる『Fallen』は、幻想的な雰囲気を持ちながらも、どこか切なさを感じさせる楽曲です。柔らかく響くピアノの音色が印象的で、そこに重なるボーカルが深い余韻を生み出しています。ゆったりとしたテンポで進行しつつ、ドラマチックな展開を見せる構成が特徴的です。楽器のアレンジにも細かな工夫が施されており、シンセサイザーの音が静かに広がることで、幻想的な世界観が強調されています。音の流れは穏やかでありながら、時折力強さを感じさせる瞬間もあり、静と動のバランスが取れた一曲となっています。壮大な広がりを持つアレンジが加わり、感情の揺れをより際立たせる演出がなされています。余韻を残すような終わり方が、作品のテーマとも重なり、聴いた後に深い印象を与える楽曲です。

PSYCHO-PASS(第3期)

シリーズの新たな局面を迎えた3期では、これまでとは異なる視点から物語が展開されます。新たな主人公たちの登場により、シビュラシステムの支配する社会の深層に迫るストーリーが描かれます。主題歌もその変化を象徴するかのように、新たな表現が加えられています。オープニングとエンディングのどちらも、3期の持つ新鮮な要素とこれまでのシリーズの流れをつなぐ役割を果たしています。

◾️Q-vism / Who-ya Extended（全話 / 第1話 – 第8話）

Who-ya Extended による『Q-vism』は、鋭いビートと重厚なサウンドが際立つ楽曲です。冒頭から激しいリズムが響き、疾走感のある展開が印象的です。ボーカルは深みのある響きを持ち、楽曲全体に緊迫感を与えています。楽器のアレンジも巧みに構成されており、低音の響きが曲の雰囲気を引き締めています。メロディーは浮遊感を持ちながらも力強く、場面ごとに異なる表情を見せます。特に、緩急のある構成が魅力で、静かな部分と激しい部分が交互に訪れることで、聴く側を引き込みます。リズムの変化がスリリングな印象を与え、作品の世界観とも調和しています。壮大な音の広がりが感じられ、楽曲が持つエネルギーが最大限に発揮されます。作品のテーマともリンクする緊張感のあるサウンドが、強く印象に残る一曲です。

◾️bullet / Cö shu Nie（全話 / 第1話 – 第8話）

Cö shu Nie による『bullet』は、幻想的なサウンドと洗練されたアレンジが魅力の楽曲です。静かに始まるイントロから、徐々に緊張感が高まり、独特なリズムが楽曲全体を彩ります。ボーカルは繊細な表現力を持ち、情感豊かに響き渡ります。メロディーは浮遊感がありながらも芯のある展開を見せ、細やかなフレーズが心に残ります。楽器の音色が巧みに組み合わされており、特にピアノの響きが印象的です。曲が進むにつれて音の層が増し、深みのあるサウンドへと変化していきます。楽曲全体には、緩やかに高まる緊張感と、それを解き放つような瞬間が共存しています。静と動が交錯する構成が印象的で、聴き終えた後も余韻が残る一曲となっています。作品のラストを彩るにふさわしい楽曲です。

◾️挿入歌：FIRE BURNING WOMAN / 小宮カリナ(声：日笠陽子) （第2話、第5話）

『FIRE BURNING WOMAN』は、情熱的な演奏と印象的なリズムが特徴の楽曲です。ギターの鋭いフレーズが楽曲の世界観を作り出し、冒頭から強いインパクトを与えます。ドラムのビートは重みがあり、一音ごとに緊張感が増していきます。メロディーは力強く展開し、音の流れに変化をもたらしています。ボーカルはエネルギッシュで、楽曲の持つ熱量を引き立てています。曲の中盤では、リズムの変化が加えられ、緊張と緩和が絶妙に組み合わされています。楽器のアレンジも工夫されており、低音の響きが楽曲全体を支えています。サウンドの重なりが生み出す圧倒的な存在感が印象的な楽曲です。

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス

◾️Who What Who What / 凛として時雨

凛として時雨が手がけた『Who What Who What』は、鋭いギターと躍動感のあるリズムが印象的な楽曲です。冒頭から畳みかけるような演奏が広がり、楽器の音が絡み合うことで緊張感を生み出しています。ドラムの打ち込みが細かく刻まれ、ギターの響きとともに楽曲の流れを加速させています。ボーカルは独特の抑揚を持ち、楽器の音と共鳴しながら曲の持つ雰囲気を際立たせています。メロディーには複雑な展開が組み込まれており、予測できない流れが続くことで最後まで惹きつけられます。音の隙間を活かした構成が特徴的で、静寂と激しさが交差するたびに新たな表情が生まれています。楽器の音が重なり合うにつれ、空気が一層張り詰め、感情を揺さぶるような展開へと変化していきます。劇場版の映像と融合することで、物語の世界観を強く印象づける楽曲です。

◾️名前のない怪物 / EGOIST

EGOISTが歌う『名前のない怪物』は、幻想的な音作りとダークな雰囲気が融合した楽曲です。低音が響くイントロが緊迫感を生み出し、楽曲全体に張り詰めた空気をもたらしています。ピアノの旋律が静かに流れ、そこに重厚なビートが加わることで、奥行きを感じさせるサウンドが広がっています。ボーカルは情感を帯びた表現が際立ち、音の流れに沿いながら言葉の響きを際立たせています。楽器の音が静と動を繰り返し、緊張感が保たれたまま進んでいきます。メロディーには緻密な構成が施されており、切なさや焦燥感がにじみ出る仕上がりになっています。静寂が広がる場面と、激しさが前面に出る場面が絶妙に切り替わることで、心を揺さぶるような展開へと導かれます。劇場版のストーリーと密接に結びつき、作品の世界観を色濃く反映した一曲です。

劇場版三部作：PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System

◾️【OP1】abnormalize-Remixed by 中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)

BOOM BOOM SATELLITES の中野雅之氏が手がけた『abnormalize』のリミックスは、原曲の鋭いサウンドを残しつつ、重厚なアレンジが加えられています。歪んだギターと電子音が交錯し、奥行きのある響きを生み出しています。ドラムのリズムには大胆な変化が施され、楽曲全体のダイナミズムを際立たせています。ボーカルは浮遊感を持たせながらも、楽器の音と融合し、楽曲にさらなる深みを与えています。メロディーの流れが再構築され、緊張感を持続させる仕上がりになっています。重低音が響く展開は映像の持つ雰囲気と調和し、物語の世界観をより引き立てています。音の余白を活かしたアレンジが施されることで、静と動のコントラストが明確になっています。劇場版のオープニングとして、新たな魅力を感じさせる一曲です。

◾️【ED1】Fallen – Remixed by 中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)（Case.1 罪と罰）

EGOIST の『Fallen』を BOOM BOOM SATELLITES の中野雅之氏がリミックスした本作は、幻想的な音の広がりが印象的です。低音が際立つアレンジによって、楽曲全体に深みが加わっています。ピアノの旋律と電子音が組み合わさり、浮遊感のあるサウンドが構築されています。ボーカルの響きが楽器の音と溶け合い、心を引き込むような雰囲気を生み出しています。メロディーには大胆な変化が施され、原曲とは異なるアプローチで楽曲の持つ情感を表現しています。音の重なりが増すにつれて、曲の持つエモーショナルな側面がより強調されています。壮大な音の広がりと緻密に組み込まれたリズムが調和し、劇場版のストーリーと深く結びついた仕上がりになっています。映像と共に聴くことで、より一層楽曲の魅力が感じられる作品です。

◾️【ED2】All Alone With You – Remixed by 中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)（Case.2 First Guardian）

EGOIST の『All Alone With You』を BOOM BOOM SATELLITES の中野雅之氏がリミックスし、壮大な雰囲気を持つ楽曲へと昇華させています。低音の響きが楽曲の奥行きを生み出し、深みのある音像が広がっています。ゆったりとしたリズムが特徴的で、静けさの中に緊張感を感じさせるアレンジになっています。ボーカルは浮遊感のある響きを持ち、幻想的な雰囲気を演出しています。メロディーには新たな展開が加わり、楽器の音とのバランスが絶妙に取られています。電子音と生楽器の音が重なり合うことで、原曲とは異なる感触が生まれています。静かに始まりながらも、音の層が増すごとに楽曲の持つ情感が深まっていきます。劇場版の映像と共鳴し、作品の世界観に寄り添う形で仕上げられた一曲です。

◾️【ED3】名前のない怪物 – Remixed by 中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)（Case.3 恩讐の彼方に＿＿）

EGOIST の『名前のない怪物』を BOOM BOOM SATELLITES の中野雅之氏がリミックスし、よりダークで幻想的な仕上がりとなっています。原曲の緊迫感を活かしつつ、重厚な低音と空間を意識した音作りによって新たな表情を引き出しています。ボーカルは静寂と共に始まり、楽器の音が重なるにつれて次第に熱を帯びていきます。メロディーには細かな変化が加えられ、音の広がりとともに奥行きが増しています。ピアノの旋律が響く中、電子音とビートが絡み合い、緊張感のある空気を作り出しています。音の抑揚が際立つ構成になっており、楽曲が持つドラマティックな側面をより強調しています。劇場版のシーンと一体となり、映像と共に強く印象に残る一曲です。

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR

◾️【OP】Synthetic Sympathy / Who-ya Extended

Who-ya Extended が手掛けた『Synthetic Sympathy』は、劇場版にふさわしい緊迫感と疾走感を兼ね備えた楽曲です。低音が響くイントロから一気に展開し、エネルギッシュな演奏が物語のスリルを増幅させます。ボーカルの力強い表現と楽器のダイナミックなアレンジが絶妙に絡み合い、重厚なサウンドが印象を残します。音の強弱を巧みに使い分け、静寂と激しさが交差する構成が特徴的です。電子音を駆使した独創的なアレンジも加わり、作品の近未来的な世界観と調和しています。メロディーには哀愁を感じさせる要素もあり、単なる激しい楽曲ではなく、ドラマティックな要素が色濃く反映されています。映像と共に聴くことで、さらにその魅力が引き立つでしょう。

◾️【ED】red strand / Cö shu Nie

Cö shu Nie の『red strand』は、劇場版のエンディングにふさわしい情緒的な楽曲です。冒頭から静かに展開し、透明感のある歌声が幻想的な雰囲気を生み出します。楽器の響きが繊細に重なり合い、物語の余韻を深める役割を果たしています。ミニマルなアレンジながらも、一つひとつの音が計算されており、情感豊かな世界を作り上げています。曲が進むにつれてサウンドの厚みが増し、感情の高まりを表現するように構成されているのが特徴です。ボーカルの独特な表現と楽曲の流れが一体となり、印象的なラストを演出します。劇場版の終幕とともに聴くことで、より深い余韻を感じることができるでしょう。

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE

◾️アレキシサイミアスペア / 凛として時雨

凛として時雨が手がけた『アレキシサイミアスペア』は、激しい楽器の音と表現豊かなボーカルが融合した楽曲です。イントロから圧倒的な疾走感があり、緊張感を生み出します。ギターとベースが絡み合う音の層が厚みを持たせ、独自の世界観を築き上げています。ドラムの刻むリズムは複雑でありながらも全体の流れを引き締め、緩急をつけた展開が印象的です。高音の響くボーカルは、感情の振れ幅を表現するかのように変化し、楽曲にさらなる深みを与えています。高音と低音が交錯しながら、劇場版の持つテーマと共鳴するように展開していきます。終盤に向かうにつれ、音の重なりが増し、聴く者を圧倒する構成となっています。映画の世界観とリンクしながら、強いインパクトを残す一曲です。

◾️当事者 / EGOIST

EGOISTが歌う『当事者』は、重厚なサウンドと繊細なアレンジが融合した楽曲です。静かに始まるイントロが徐々に広がり、緊迫感を高めていきます。エレクトロニックな音作りが楽曲全体に深みを与え、聴くほどに新たな表情を見せます。ベースラインが低音を支えつつ、浮遊感のあるシンセサイザーが幻想的な雰囲気を作り出します。ボーカルは、まるで物語を語るように情感豊かに響きます。一つ一つのフレーズに込められた表現が、作品の持つテーマを思わせる仕上がりとなっています。楽器の音が次第に増していくことで、楽曲はクライマックスへと向かい、終盤では圧倒的なスケール感を生み出します。劇場版の世界を音楽で体現した一曲と言えるでしょう。

まとめ

『PSYCHO-PASS』は、人間の心理状態を数値化し管理するシビュラシステムのもとで展開される近未来の物語です。正義とは何か、人間の本質とは何かを問う重厚なストーリーが、多くの視聴者を魅了してきました。本作の主題歌は、その世界観と密接に結びついています。オープニングは、緊迫感や疾走感を持たせ、物語の核心へと引き込む役割を果たします。一方、エンディングは余韻を残し、登場人物の葛藤や心情を映し出すような構成が特徴です。これらの楽曲は、シリーズの進化とともに変化しながらも、常に作品のテーマを深く表現し続けてきました。その音楽とともに、『PSYCHO-PASS』の世界を改めて振り返ってみてはいかがでしょうか。