秋をテーマにした童謡。日本の唱歌・わらべうた20選

 
秋をテーマにした童謡や唱歌、わらべうたには、日本の四季を感じさせる美しい情景や温かな思い出が込められています。赤とんぼや夕焼け、小さな秋の気配など、どこか懐かしく心を和ませる歌が多く、子どもから大人まで世代を超えて親しまれてきました。季節の行事や音楽の授業、家庭での歌の時間にもぴったりです。今回は、秋を彩る定番の童謡・唱歌・わらべうたを20曲ご紹介します。

秋をテーマにした童謡。日本の唱歌・わらべうた20選

◾️紅葉 / もみじ

紅葉は、日本の秋を象徴する情景を美しく描いた唱歌です。山々が赤や黄色に染まる様子を、まるで絵画のように表現した歌詞は、聴く人に鮮やかな風景を思い浮かばせます。

旋律は穏やかで耳に残りやすく、子どもから大人まで幅広い世代に歌い継がれてきました。

秋特有の澄んだ空気や自然の移ろいを感じさせる一曲であり、音楽の授業や合唱の定番曲としても知られています。日本人にとって季節感を共有できる大切な楽曲であり、秋の訪れを感じるたびに口ずさみたくなる唱歌です。

◾️虫のこえ / 文部省唱歌

虫のこえは、秋の夜に響く虫たちの鳴き声を題材にした文部省唱歌です。

コオロギやスズムシといった虫の音色を歌詞に取り入れ、日本ならではの自然観や情緒を表現しています。シンプルながらも耳に残るメロディーは、子どもでも覚えやすく親しまれてきました。

秋の夜長にそっと寄り添うような温かみがあり、歌うことで自然との一体感を感じられるのが魅力です。都会ではあまり耳にできなくなった虫の声を、歌を通して身近に思い起こさせてくれる貴重な一曲といえるでしょう。

◾️ちいさい秋みつけた

ちいさい秋みつけたは、身近な自然や日常の中にひそむ秋の気配を見つける喜びを歌った作品です。

繊細で叙情的な歌詞は、落ち葉や風の音といった小さな変化を大切に感じる日本人らしい感性を映し出しています。静かな旋律が秋の物悲しさと温かさを同時に伝えてくれます。

子どもが歌うとかわいらしく、大人が歌うとより深い味わいを感じさせる不思議な魅力を持った楽曲です。季節の移ろいを丁寧に捉えたこの歌は、聴く人に秋を見つける感性を思い起こさせる一曲となっています。

◾️まっかな秋

まっかな秋は、薩摩忠の歌詞と小林秀雄の作曲によって生まれた童謡です。

木々が真っ赤に染まる秋の景色を力強く表現しており、鮮やかな色彩感が特徴です。旋律には明るさと哀愁が同居しており、聴く人に深い印象を与えます。

秋の自然を直接的に「まっか」と表すシンプルで力強い表現は、子どもにも分かりやすく、親しみやすさを感じさせます。学校教育の場や合唱曲としても多く取り上げられ、秋を代表する童謡として幅広い世代に歌い継がれている楽曲です。

◾️里の秋

里の秋は、戦後の日本で生まれた童謡で、静かな田舎の秋を描きながら、家族や平和への願いを込めた歌です。落ち着いた旋律と優しい歌詞が心に響き、聴く人に懐かしさと温もりを感じさせます。

秋の夜長にぴったりの雰囲気を持った一曲です。

特に親と一緒にいること大切さを歌う一節には、戦争の影響を受けた時代背景がにじみ出ています。単なる季節の歌にとどまらず、人々の心に寄り添い続けてきた童謡であり、秋の唱歌の中でも特別な存在感を放つ名曲といえるでしょう。

◾️まつぼっくり

まつぼっくりは、身近な自然の恵みを題材にした童謡で、子どもたちが遊びの中で親しみやすく歌える楽曲です。

歌詞にはまつぼっくりの素朴な魅力が描かれ、秋の野山で拾った時のわくわく感を思い出させてくれます。

短く覚えやすいメロディーは、幼児教育の場や家庭での歌遊びにぴったりです。自然と触れ合う喜びを歌を通して伝えることで、季節感と共に子どもたちの感性を育む一曲となっています。

◾️やきいもグーチーパー

やきいもグーチーパーは、秋の味覚である焼きいもを題材にした、楽しいリズムのわらべうたです。

じゃんけんの「グーチョキパー」にかけた遊び心あふれる歌詞は、子どもたちに大人気で、歌いながら自然と体を動かしたくなるような一曲です。

親しみやすいメロディーとリズムは、遊び歌として広まり、保育園や幼稚園などでも定番として親しまれています。焼きいもの温かさと秋のほのぼのとした雰囲気が伝わる、世代を超えて愛される童謡です。

◾️赤とんぼ

赤とんぼは、三木露風の作詞と山田耕筰の作曲による、日本を代表する童謡のひとつです。夕暮れの空を舞う赤とんぼを通して、郷愁や幼い頃の記憶を呼び起こす歌詞は、多くの人々の心に深く刻まれています。

旋律は美しくも物悲しく、秋の情緒を強く感じさせます。

学校教育や合唱曲としても長く歌い継がれ、日本の原風景を思い起こさせる名曲です。シンプルながら奥深い世界観を持ち、秋の夕暮れ時に聴くと特に心に響く一曲です。

◾️秋の子

秋の子は、澄んだ空気や自然の中で元気に遊ぶ子どもたちの姿を描いた童謡です。

明るい旋律と歌詞は、秋という季節を楽しむ純粋な心を感じさせ、聴く人に微笑ましい情景を思い浮かばせます。

子どもの元気さと秋の爽やかさを重ね合わせることで、季節の喜びを歌に込めた楽曲です。教育現場や家庭で親しまれ、歌うことで自然との触れ合いや季節の楽しさを実感できる、心温まる一曲となっています。

◾️どんぐりころころ

どんぐりころころは、青木存義の作詞と梁田貞の作曲によって誕生した童謡です。

山から転がり落ちたどんぐりが、かわいらしく擬人化されて歌われており、そのユーモラスな情景描写が子どもたちに大人気です。

軽快で覚えやすいメロディーは世代を超えて歌い継がれ、幼稚園や保育園でも定番の一曲です。秋の自然を身近に感じられるとともに、童謡特有の温かみや楽しさを味わえる作品として、長く愛されています。

◾️故郷の空

故郷の空は、スコットランド民謡「蛍の光」をもとにした日本の唱歌で、秋の夕暮れを想起させる哀愁を帯びた旋律が特徴です。

旅の情景や懐かしい故郷への思いが込められており、切なさと温かさが共存する表現が心に残ります。

学校教育や合唱で歌われることも多く、世代を超えて親しまれてきました。秋の澄んだ空に響くメロディーは、遠い場所にいる大切な人を想う気持ちを強く引き出し、郷愁を誘う一曲です。

◾️きのこ

きのこは、雨の中で楽しげに踊るきのこを描いた童謡で、ユーモラスな歌詞と軽やかなメロディーが特徴です。

繰り返しのフレーズが親しみやすく、子どもたちがすぐに覚えて歌える魅力を持っています。

秋の森を舞台に、自然の豊かさや楽しさを表現した歌で、聴く人に温かい情景を思い起こさせます。遊び歌や合唱でも人気があり、明るく楽しい秋の雰囲気を感じられる一曲です。

◾️ぽんぽこたぬき

ぽんぽこたぬきは、日本の伝統的なわらべうたの一つで、たぬきのお腹を叩く様子をユーモラスに歌った楽曲です。

リズムに合わせて手遊びを取り入れることが多く、子どもたちに大人気です。

繰り返しが多い歌詞と親しみやすいメロディーで、世代を超えて受け継がれてきました。秋の夜長に家族や友達と一緒に歌えば、笑顔が広がる楽しいひとときを過ごせる一曲です。

◾️いもほりのうた

いもほりのうたは、秋の収穫体験をテーマにした童謡で、子どもたちが楽しそうにさつまいもを掘る様子が描かれています。

歌詞のテンポは軽快で、畑でのわくわく感や達成感をそのまま表現しています。

保育園や幼稚園の活動でもよく歌われ、実際のいも掘り体験と一緒に楽しむことで季節感を深めることができます。自然と笑顔になれる明るい一曲で、秋の実りを楽しむ気持ちを広げてくれます。

◾️とんぼのめがね

とんぼのめがねは、シンプルで親しみやすい歌詞と軽快なメロディーが魅力の童謡です。

とんぼがかけている「めがね」をユーモラスに描写し、子どもたちの想像力を広げる楽しい内容になっています。

秋の澄んだ空を舞うとんぼを題材にしており、自然の中で遊ぶ子どもたちの姿と重なる明るさがあります。リズムに合わせて手遊びを取り入れることもでき、家庭や学校で広く親しまれる一曲です。

◾️落葉松

落葉松は、高野辰之作詞・小林秀雄作曲による日本歌曲で、秋に黄金色へと染まる唐松林の情景を叙情的に描いた名曲です。

自然の移ろいと人の心情が重ねられており、詩的で深みのある世界観が広がります。

澄んだ旋律が秋の静けさを引き立て、聴く人に郷愁を呼び覚ます一曲です。合唱曲としても広く親しまれ、秋の音楽会でよく歌われます。日本の自然美を感じられる格調高い作品です。

◾️旅愁

旅愁は、犬童球溪が訳詞したアメリカ民謡をもとにした唱歌で、「ふけゆく秋の夜 旅の空の」という冒頭が印象的です。

秋の夜の寂しさと旅の孤独を描き、聴く人の心に静かな余韻を残します。

美しい旋律は、しみじみとした秋の情景を想起させ、学校教育や音楽の教科書でも長く愛されてきました。秋の郷愁を象徴する日本唱歌の代表作のひとつです。

◾️秋の夜半

秋の夜半は、夜の静けさと澄んだ月明かりを描いた唱歌で、しっとりとした旋律が魅力です。

秋の夜の深い情緒が込められ、静かに広がる自然の美を感じ取ることができます。

古き良き日本の風情を伝えるこの歌は、秋の夜をしみじみと味わうように歌われ、聴く人に穏やかな時間をもたらします。学校教材として歌われることもあり、静謐な秋の情景を描く貴重な一曲です。

◾️案山子

案山子は、武笠三作詞・下総皖一作曲による童謡で、田んぼに立つかかしを題材にした親しみやすい楽曲です。

のどかな農村の風景が広がり、素朴さの中に温かみを感じさせます。

秋の収穫期を背景に、人々の生活と自然が調和する様子を歌い上げており、どこか懐かしさを誘う一曲です。子どもたちにも覚えやすいメロディーで、長く歌い継がれてきました。

◾️雁がわたる

雁がわたるは、秋の季節に北へ帰る雁の姿を情感豊かに描いた日本の唱歌です。

ゆったりとした旋律が、広がる空と渡っていく雁の群れを思わせます。

旅立つ雁の群れや秋の風景が表現され、切なさや季節の移ろいを感じられるでしょう。秋の風景を想像しながら歌うと、情緒豊かに雁の旅路を表現できる一曲です。

まとめ

秋の童謡や唱歌、わらべうたは、自然の風景や季節の移ろいをやさしいメロディーで表現し、聴く人の心を癒してくれます。子どもと一緒に歌えば、親子のふれあいの時間がより豊かになり、大人が口ずさめば懐かしい思い出がよみがえります。今回ご紹介した20曲は、秋の魅力を感じながら楽しめる名曲ばかり。ぜひ日常に取り入れて、季節を感じるひとときを過ごしてみてください。