■風になる / つじあやの
2002年に公開された映画『猫の恩返し』主題歌に起用された『風になる』。シンガーソングライターのつじあやのさんが作詞作曲を担当しており、映画公開後も人気を集めるキャッチーな楽曲です。軽快なバンド演奏に刻まれる、あいせつな人に向けた素直なメッセージが描かれています。忙しい日常生活を送るなかで忘れがちな、大切なことを思い出させてくれる言葉が胸に響くでしょう。猫の世界を冒険するハルの姿が思い浮かぶ、ハートフルな世界観が広がる楽曲です。彼女の優しい歌声とともにのんびり過ごしてみてはいかがでしょうか。
■やさしさに包まれたなら / 松任谷由実
児童文学『魔女の宅急便』をもとに制作された長編アニメーション映画『魔女の宅急便』。宮崎駿さんが監督、脚本を務めたこちらの作品のエンディングテーマに起用された曲が『やさしさに包まれたなら』です。1974年にリリースされた楽曲ですが、数多くのCMソングに起用されるなど時代をこえて愛されています。カントリーミュージックを思わせる軽快なサウンドにのせて、アコースティックギターのカッティング演奏が響きます。誰もが心に抱える不安や悩みを優しくつつみこむメッセージが詰まった歌を聴いてみませんか。
■いつでも誰かが / 上々颱風
高畑勲さんが1994年に制作したアニメーション映画『平成狸合戦ぽんぽこ』。多摩ニュータウンを舞台として展開する、タヌキと人間の関係性を現した独自性のある物語が展開します。こちらの作品の主題歌に起用された曲が『いつでも誰かが』。民族音楽をモチーフにした楽曲を数多く制作する音楽グループの上々颱風が1993年にリリースしました。化学の復興を夢見て立ち上がるタヌキが現代社会に生きる人間に問いかける物語は考えさせられるものがありますね。戦いが終わり、それぞれの生活を送るタヌキの姿とともに物語の最後を締めくくるハートフルな楽曲です。
■ナウシカ・レクイエム / 久石譲
宮崎駿さんの漫画『風の谷のナウシカ』を題材にして制作された映画『風の谷のナウシカ』。1984年に公開されたこちらの作品の挿入歌として起用された曲が『ナウシカ・レクイエム』。自然との共生を描いた物語を盛り上げる場面で使用されており、さまざまな民族音楽を用いた独自の音色が響きます。美しいメロディーを生かしたオーケストラサウンドにのせて届ける、賛美歌のような歌声が印象的な楽曲です。ナウシカがオームの大群の突進を止める姿がイメージできる、美しくも切ない音楽に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
■Arrietty’s Song / セシル・コルベル
米林宏昌さんが監督を務めており、2010年に公開された映画『借りぐらしのアリエッティ』。メアリー・ノートンさんの著書、『床下の小人たち』をモチーフに制作された作品です。こちらの作品の主題歌に起用された曲は『Arrietty’s Song』。ジブリ作品における海外のアーティストによる初の主題歌となり、ハープ奏者としても活躍するセシル・コルベルさんが歌唱を担当しました。美しいハープの音色と彼女の透きとおるような歌声が物語の作品性を高める楽曲です。
■崖の上のポニョ / 藤岡藤巻と大橋のぞみ
2008年に公開された映画『崖の上のポニョ』。原作・脚本・監督を宮崎駿さんが担当しており、人間になりたいと願うポニョと宗介の関係性を描いた心温まる物語です。こちらの作品の主題歌として制作された曲が『崖の上のポニョ』。音楽ユニットの藤岡藤巻と大橋のぞみが歌唱を担当。軽快かつキャッチーなバンド演奏にのせて、大橋のぞみさんの素直でキュートな歌声が響きます。ミステリアスな存在でありながら、どこか人間らしくもあるポニョの姿が思い浮かぶポップな楽曲です。
■時には昔の話を / 加藤登紀子
世界大恐慌の時代にあるイタリアを舞台に展開する『紅の豚』。飛行艇に乗る空賊と退役軍人操縦士のポルコ・ロッソが繰り広げる戦いを描いた作品のエンディングテーマに起用された曲が『時には昔の話を』。女優や歌手として活躍する加藤登紀子さんが作詞作曲を担当しており、1987年にリリースされました。若かりし頃の思い出を振り返る姿が描かれており、美しいシンセの音色とともにノスタルジーな風景が広がります。温かみのある彼女の歌声とともに、物語の最後を彩る楽曲です。
■終わりに
世界に誇る日本のアニメーション映画を数多く制作するスタジオジブリの作品を彩る楽曲を紹介してきました。美しい自然をイメージさせるものや大切な人へのメッセージが込められたものなど、さまざまなテーマを感じられたかと思います。美しいメロディーが展開する楽曲が多いので、映画を見終わったあとのゆったりと過ごす時間に聴くのもいいでしょう。作品の主人公が活躍する姿が思い浮かぶ、ジブリの歌をぜひ聴いてみてくださいね。
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