初回限定無料
アニメ『薬屋のひとりごと』の主題歌!OP・EDを一挙に解説

『薬屋のひとりごと』は、中世の東洋風な架空の国を舞台に、後宮で働く少女・猫猫(マオマオ)が薬学の知識を武器に数々の難事件を解き明かしていくミステリー×宮廷劇です。原作小説と漫画版の両方が高い人気を誇り、シリーズ累計発行部数は4,000万部を突破(2025年時点)。緻密に描かれる医学や薬草の知識に加え、猫猫の冷静かつ毒舌なキャラクターと、宦官・壬氏との絶妙な距離感も大きな魅力です。巧妙に仕掛けられた謎と、後宮という華やかながらも緊張感漂う舞台設定が相まって、読者を引き込む重厚なストーリーが展開されます。

この記事では、第1期・第2期それぞれのオープニング・エンディングテーマを振り返りながら、各楽曲が作品の世界観とどう関わるのかを詳しく解説します。
・『薬屋のひとりごと』の世界観を音楽でも楽しみたい人
・アニメ主題歌で新たなお気に入りアーティストを見つけたい人
・物語に寄り添う美しいOP・ED曲を探している人
薬屋のひとりごとの作品概要
・2011年に「小説家になろう」で連載が始まり、書籍化・複数誌でコミカライズ
・シリーズ累計発行部数が4,000万部を超える人気作品
・2023年にTVアニメ化され、2025年には第2期が2クールで放送中
『薬屋のひとりごと』は、2011年に小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が始まった後、書籍化を経て、現在は「ヒーロー文庫」(イマジカインフォス)より第15巻まで刊行中の大人気シリーズです。さらに、月刊「サンデーGX」(小学館)と月刊「ビッグガンガン」(スクウェア・エニックス)の2誌にて、それぞれ異なる作画によるコミカライズが連載されており、幅広い読者層に親しまれています。累計発行部数は2025年4月時点で4,000万部を突破。2023年10月にはTVアニメがスタートし、巧みに描かれた後宮の謎と人間模様が話題を呼びました。そして2025年1月からは、ファン待望の第2期が2クール連続で放送され、物語はいっそう深みを増しています。
◾️アニメの制作会社
まずは、本作の高いクオリティを支えるアニメーション制作陣に注目してみましょう。繊細な作画と重厚な演出の背景には、実力派スタジオの存在があります。アニメ『薬屋のひとりごと』の制作を手がけるのは、TOHO animation STUDIOとOLMの共同制作チームです。TOHO animation STUDIOは『怪獣8号』などを手がける東宝のアニメレーベルで、近年急速に注目を集めているスタジオです。一方、OLMは『ポケットモンスター』シリーズをはじめ、長年にわたり安定した制作力を持つ老舗スタジオ。本作では、細やかな作画や奥行きある色彩設計、優美な背景美術など、後宮を舞台にした世界観を丁寧に表現。キャラクターの細かな感情表現や静と動のコントラストにも注目が集まっています。
◾️あらすじ
次に、本作の物語の概要を押さえておきましょう。舞台は後宮。薬に詳しい少女が、不可解な事件に巻き込まれていくストーリーが魅力です。物語は、薬師として育った少女・猫猫(マオマオ)が、ある出来事をきっかけに後宮へ下女として売られるところから始まります。目立たず静かに過ごすつもりだった猫猫ですが、後宮内で起こる不審な出来事に気づき、薬の知識を使って問題を解決していきます。その活躍を目にした美貌の宦官・壬氏(ジンシ)に見込まれ、次第に後宮の奥深い陰謀や権力争いに巻き込まれていきます。謎解き要素と医療知識が融合したストーリー展開は、一話ごとの緊張感を生み、視聴者を物語へと強く惹きつけます。
◾️主な登場人物
◆猫猫(マオマオ)
CV:悠木碧
本作の主人公。薬や毒に強い関心を持つ元薬師の少女。後宮で下女として働いているが、その豊富な知識でさまざまな事件を解決していく。冷静沈着で合理的な性格だが、好奇心が強く、毒見や実験もいとわない。
◆壬氏(ジンシ)
CV:大塚剛央
後宮を束ねる若き美貌の宦官。表向きは柔和だが、内には鋭い観察力と策略家の顔を持つ。猫猫の才知に興味を持ち、彼女を信頼し重要な仕事を任せるようになる。
◆高順(ガオシュン)
CV:小西克幸
壬氏の側近であり、護衛も務める実直な武官。猫猫に対しても公平に接し、壬氏とのやりとりには時折ツッコミ役となる場面もある。
◆玉葉妃(ギョクヨウヒ)
CV:種﨑敦美
皇帝の側室のひとりで、後宮内で大きな影響力を持つ妃。猫猫との交流の中で、少しずつ人間味あふれる姿を見せるようになる。
◆梨花妃(リファヒ)
CV:石川由依
気品に満ちた妃の一人。後宮内の権力構造を象徴する存在でもあり、物語の鍵を握る重要人物。
薬屋のひとりごと(第1期)
◾️【第1クールOP】花になって / 緑黄色社会
緑黄色社会が手がけた『花になって』は、疾走感のあるアンサンブルと情熱的なボーカルが印象的なナンバーです。軽やかなギターとリズムが交差する中で、心の奥に眠る感情が次第に解き放たれていくような感覚を与えてくれます。花が咲く瞬間を描くように、主人公・猫猫が後宮で活躍していく姿とも重なり、作品全体のテーマと見事に融合しています。前向きで希望を感じさせる楽曲構成は、アニメの世界観に明るさと広がりをもたらしています。表情豊かなアレンジにも注目です。
◾️【第2クールOP】アンビバレント / Uru
Uruが歌う『アンビバレント』は、静けさと緊張感が交錯する中に心の機微を織り込んだ楽曲です。淡々と始まるピアノと透明感のある歌声が、物語の複雑さや登場人物たちの心情を丁寧に映し出しています。後半に向けて音が幾重にも重なっていき、聴く者の感情を次第に引き上げていく構成が印象的です。アニメの緻密な心理描写と相まって、より深く作品に没入できるような仕上がりになっています。静と動のコントラストが作品の緊張感を支えています。
◾️【第1クールED】アイコトバ / アイナ・ジ・エンド
アイナ・ジ・エンドさんが歌う『アイコトバ』は、重厚なアレンジと切ない歌声が特徴的なエンディング曲です。感情をすくい取るようなボーカルが、猫猫の内面にある葛藤や静かな決意を鮮やかに描き出しています。ストリングスの流れとピアノの旋律が丁寧に絡み合い、作品の余韻をしっとりと包み込んでいます。孤独と向き合う姿や、感情を抑えながらも前に進む姿勢が、楽曲を通じて繊細に表現されています。エンドロール後の静寂までが印象に残る1曲です。
◾️【第2クールED】愛は薬 / wacci
wacciが歌う『愛は薬』は、温もりと優しさが感じられる柔らかなバラードです。穏やかなテンポと明るいコード進行にのせて、人と人との関係に潜む微かな希望を描いています。物語の中でさまざまな人々が支え合う姿と重なり、聴く側の心を温かく包み込みます。wacciらしい親しみやすさと深い情感が融合したアレンジは、エンディングとして物語を静かに締めくくるにふさわしい仕上がりです。後宮という舞台にある日常の機微を感じさせる1曲です。
薬屋のひとりごと(第2期)
◾️【第1クールOP】百花繚乱 / 幾田りら
幾田りらさんが歌う『百花繚乱』は、華やかな旋律と緻密なアレンジが印象的な一曲です。柔らかくも芯のある歌声が、複雑に絡み合う登場人物たちの関係性を鮮やかに描き出します。リズムの展開が巧みで、序盤から徐々に高まっていく熱量が物語の躍動感と美しく重なっています。楽器の音が丁寧に積み上げられており、聴き進めるほどに情景が深まっていく構成が魅力です。後宮の中で揺れ動く感情や心の声が、音の重なりによって鮮やかに表現されています。
◾️【第2クールOP】クスシキ / Mrs. GREEN APPLE
Mrs. GREEN APPLEの『クスシキ』は、浮遊感のあるイントロから始まり、心をすっと引き込むような展開が印象的な楽曲です。軽快なリズムに乗せて紡がれる音が、物語の持つ不可思議な世界観と絶妙に調和しています。テンポの緩急を活かした構成により、緊張と安堵を行き来するような情感が生まれています。ボーカルの表現力とアンサンブルの細やかさが重なり、日常と非日常が入り混じる作品の背景を豊かに彩っています。終始引き込まれるような一曲です。
◾️【第1クールED】幸せのレシピ / 平井大
平井大さんの『幸せのレシピ』は、穏やかなアコースティックギターの響きと優しい歌声が、視聴後の余韻を包み込むように響く楽曲です。あたたかなサウンドの中に、登場人物たちの日常や小さな幸せが丁寧に描かれており、物語に柔らかな輪郭を与えています。サウンド全体に流れる軽快なリズムは、肩の力を抜いた自然体の雰囲気を作り出しており、エンディングに心地よい癒しをもたらします。余韻を残しつつ、優しい気持ちで物語を締めくくる印象的な一曲です。
◾️【第2クールED】ひとりごと / Omoinotake
Omoinotakeが歌う『ひとりごと』は、心に染み渡るようなピアノのフレーズと、じわじわと広がるバンドサウンドが絶妙に溶け合ったエンディングです。穏やかなテンポで始まりながらも、徐々に感情が波のように高まっていく構成が印象的で、後宮に生きる登場人物たちの心の機微と静かに重なります。アレンジの中に織り込まれた緻密な音の層が、静けさの中に多くの想いを感じさせてくれます。1日の終わりのような静かな余韻が、物語を温かく締めくくっています。
挿入歌
◾️想風(第3話)
大原ゆい子さんが歌う『想風』は、第3話の静かな余韻と深く結びついています。ゆったりと流れるようなメロディーと澄んだ歌声が、芙蓉妃の想いや哀しみに寄り添い、物語にしっとりとした質感を与えています。装飾を抑えた音の構成は、言葉の一つひとつを丁寧に響かせ、場面全体にやわらかな重みをもたらします。旋律に乗せられた感情がゆっくりと広がっていく様子は、静かな場面だからこそ際立ち、見る者の感情をじわじわと揺らします。目立つ演出がないからこそ、丁寧に選ばれた音と声が持つ力が際立ち、印象的なワンシーンへと導いています。
◾️明日を訪ねて(第9話)
XAIさんによる『明日を訪ねて』は、第9話で描かれた緊張感のある事件の幕引きに静かに寄り添う楽曲です。しっとりとしたピアノに導かれるように始まる歌声が、登場人物たちの心の奥に潜む揺らぎを丁寧に描いています。音数を抑えた構成と、情景に寄り添うアレンジが、静けさの中に残る余熱を際立たせています。事件の真相が明かされたあと、画面に漂う空気と重なるように響く声には、どこか終わりと始まりの気配が同時に宿っています。日常に戻るようでいて、どこか引っかかりを残すエピソードの後味を、この楽曲がきれいに包み込んでいます。音楽の余白に漂う余情が強く印象に残ります。
◾️雪中花(第12話)
きしかな子さんが歌う『雪中花』は、第12話で描かれた猫猫の心情と深くリンクしています。舞い落ちる雪のように静かに降り積もるメロディーは、言葉にならない感情をそっと包み込みます。優しく語りかけるような歌声が場面の空気をやわらげ、過去と向き合う猫猫の姿に自然と重なっていきます。控えめながら芯の通った音作りは、静かな決意や寄せては返す想いを丁寧にすくい取っており、余計な装飾を排したことで情感の厚みが増しています。映像との調和も見事で、画面の静けさと歌の呼吸が美しく重なり合い、物語の一節に余韻を残します。繊細な構成の中に確かな存在感を持つ一曲です。
◾️蒼空の炎(第19話)
竹中だいちさんが歌う『蒼空の炎』は、第19話における壬氏の変化と、その感情のうねりを音楽で映し出しています。静かに始まる旋律が徐々に膨らみ、感情の高まりに合わせて広がるように展開していきます。アコースティックな音の層と、しなやかで深みのある歌声が重なり合い、壬氏の内面に生じた確かな変化を鮮やかに描き出しています。猫猫を抱きかかえ歩く場面に重なるこの曲は、ただ状況をなぞるのではなく、その裏にある感情の動きや覚悟の在り処までをも表現しているように感じられます。緩やかな抑揚の中に心の炎が揺れているかのような余情ある一曲です。
◾️想い咲く時(第24話)
アオイエマ。さんが歌う『想い咲く時』は、第24話の終盤に登場し、羅漢と鳳仙の想いを静かに包み込むように流れます。舞を踊る猫猫の姿と重なるこの楽曲は、切なさの中に深い愛情をにじませ、静かに咲く花のような印象を与えます。流れるような旋律と余白を活かした構成が、映像と美しく溶け合い、感情を丁寧にすくい取っていきます。音と声が一体となり、舞台の上で語られなかった想いまでも表現しているように感じられます。背景に秘められた両親の物語とともに、聴く者の記憶にも深く刻まれる余韻が残ります。重ねた時間が音楽として咲いたような、美しさと儚さをあわせ持った一曲です。
まとめ
『薬屋のひとりごと』の主題歌は、物語の世界観や登場人物の心情を豊かに彩り、作品の魅力をさらに引き立てています。オープニングでは物語の緊張感や希望を、エンディングでは繊細な感情や優しさを感じさせる楽曲が選ばれているため、視聴者は映像とともに深い余韻を味わえます。各アーティストの表現力が高く評価され、作品の世界観にぴったりと寄り添う楽曲群はファンにとって欠かせない存在となっています。今後の展開にも注目したいところです。
コメント