音楽ジャンルのトランスとは?歴史や特徴、代表的なアーティストを解説

Apple Music
Apple Musicのホーム

Apple Musicは、邦楽や洋楽など1億曲以上の楽曲が楽しめる音楽配信サービスです。

ダウンロードしておけばオフライン再生ができるので、通信量を気にせず音楽を楽しめます。

初回登録から1ヶ月はすべての機能を無料で体験でき、その後は月額1,080円で利用可能です。

\広告なしで1億曲以上が聴き放題/

トランス(Trance)は、幻想的なシンセサウンドや高揚感のあるビートが特徴のダンスミュージックで、クラブシーンを中心に世界的な人気を誇るジャンルです。90年代にヨーロッパで発展し、独特の浮遊感や没入感がリスナーをトランス状態へ導くとも言われています。この記事では、トランスの歴史やサウンドの特徴、そしてシーンを牽引してきた代表的なアーティストをわかりやすく解説。

初心者でも理解しやすい内容で、トランスの魅力に触れていきます!

この記事をおすすめする人

・エレクトロニック系の音楽ジャンルを深く知りたい人
・トランスの歴史やサウンドの特徴をわかりやすく学びたい人
・代表的なDJやアーティストをまとめて把握したい人
・クラブミュージックを聴き始めたばかりで、次に聴くジャンルを探している人
・勉強や作業用に集中しやすい音楽を求めている人

目次

トランスの歴史:ドイツの地下クラブから世界へ

ドイツとテクノの影響(1990年代初頭)

Amon Düül II – Between The Eyes

トランスミュージックは、1990年代初頭のヨーロッパ、特にドイツのフランクフルトを中心としたクラブシーンで生まれました。このジャンルは、当時大人気だったアシッド・ハウスとテクノという、二つの硬質なダンスミュージックから強い影響を受けて発展しました。

1960年代末から1970年代にかけて西ドイツを中心に活躍したクラウトロックの影響を受けており、世界的に知られるバンドの例は、クラフトワークなどが挙がります。

初期のトランスは、テクノの持つクールさやミニマルな(最小限の)構造に、よりメロディーと感情的な深さを加える形で進化しました。フランクフルトは、トランスの聖地として機能し、スヴェン・フェート(Sven Väth)のような重要人物が、伝説的なクラブ「ドリアン・グレイ」の設立に関わるなど、シーンの発展に不可欠な役割を果たしました。

著者コメント
クラウト=キャベツの漬物を意味します。ドイツでよく食べられていた料理から由来しているとのこと。

黎明期のパイオニア:Jam & SpoonとEye Q

トランスの黎明期のサウンドを決定づけたのは、ドイツの主要なレコードレーベルでした。Eye Q RecordsとHarthouse Recordsは、初期のジャーマン・トランスのサウンドを牽引しました。

特にJam & Spoonは、ジャーマン・トランスの代表格として世界的に知られています。彼らはマーク・スプーン(Mark Spoon)とジャム・エル・マール(Jam El Mar)の二人組で、「Stella」などのヒット曲を通じて、トランスをローカルな現象から、巨大なムーブメントへと押し上げる原動力となりました。

この初期ドイツのサウンドは、後に世界を席巻するティエストやアーミン・ヴァン・ブーレンの、より商業的で派手なトランスとは異なり、メロウで展開の長いプログレッシブな要素を含んでおり、純粋な実験的な精神に満ちていました。

著者コメント
Jam & Spoonの楽曲を聴くと、90年代のエネルギーが鮮烈に蘇ります。特に『Stella』のようなトラックは、私たちがトランスに求める『永遠の瞬間』を体現しており、何度聴いても色褪せることのない時間旅行のサウンドトラックだと感じています。

トランスの特徴

基本的な要素(BPM、リズム、そしてメロディー)

トランスミュージックには、聴く人を高揚させるための明確な音楽的特徴があります。

要素特徴
テンポ (BPM)130〜150と速めの範囲が一般的。
リズム一定で力強い4つ打ちのキックドラムが土台。
メロディ長く伸びるパッドサウンドや、壮大で叙情的なメロディーラインが重ねられる。

この安定したリズムと、心に訴えかけるメロディーの繰り返しが感情的な集中を促しています。

ビルドアップ、ブレイクダウン、ドロップによる展開

トランスの楽曲の醍醐味は、聴衆の感情を劇的にコントロールする、そのドラマチックな展開にあります。

  1. ビルドアップ(高まり): 楽曲が展開する中で、音のフィルター操作やノイズ、メロディの層が増加し、緊張感とエネルギーが溜まっていきます。
  2. ブレイクダウン(静寂): キックドラムやベースラインが一時的に、あるいは完全に停止します。この静かな時間には、純粋なメロディや美しいサウンドだけが響き、感情的な集中を最大化させます。
  3. ドロップ(解放): 感情的なタメを経て、リズムとエネルギーが一気に爆発的に戻ってくる瞬間です。ここで聴衆は最高のカタルシス的な高揚感に包まれます。

この構造がトランスらしさを生み出しています。

トランスのジャンル

トランスは、一つの均質なジャンルではなく、その発展の過程で様々なスタイルに分化しました。ここでは、主要なスタイルと、それに近接するジャンルを詳しく見ていきましょう。

Uplifting Trance(アップリフティング・トランス)

「Uplifting」とは「高揚させる」という意味であり、このスタイルはトランスの中でも特に幸福感(ユーフォリア)と感動的な高まりを追求します。

  • 特徴とBPM: BPMは通常135〜140が中心で、他のスタイルよりも速い部類に入ります。明るい(長調の)コード進行を多用し、壮大で分かりやすいメロディラインが特徴です。感動的な展開と、非常に長いブレイクダウンを持つことが多く、アリーナでの大合唱を誘います。
  • 成功の秘訣: 構成が分かりやすいため、トランスのサブジャンルの中で最も成功した一つとされています。
  • 代表的アーティスト: Armin van Buuren、Above & Beyond、Aly & Fila。
  • 代表曲の例: Aly & Fila & JES – “I Won’t Let You Fall (Uplifting Mix)”、Rank 1 – “Airwave”。

Progressive Trance(プログレッシブ・トランス)

プログレッシブ・トランスは、「徐々に進む」という意味の通り、爆発的な高揚感よりも、緩やかな展開深遠な雰囲気を重視するスタイルです。

  • 特徴とBPM: BPMは120〜135程度と、他のトランスよりも比較的ゆったりしています。テクスチャや雰囲気をじっくりと構築し、派手なメロディよりもグルーヴとメインメロディに重点が置かれる傾向があります。
  • 精神性: 知的でメロウなサウンドが深遠な旅へと誘います。
  • 代表的アーティスト: Sasha & John Digweed、Future Sound of London。

Deep Trance(ディープ・トランス)

「Deep Trance」は、厳密な音楽ジャンル名というよりも、トランスが持つ深い、内省的なムードを指す言葉として使われることが多いです。John 00 Flemingが2022年に新たなカテゴリーを作ることを明言し、レーベルの立ち上げやジャンルの分離が行われました。

  • 特徴と精神性: 派手なシンセやドロップを控え、雰囲気(アトモスフィア)と感情の機微を重視します。このサウンドは、プログレッシブ・トランスの持つ、メロウで展開の長い要素と密接に関わっています。
  • 位置づけ: 爆発的なダンスよりも、フロアで内省的な(物思いにふけるような)没入感を求めるリスナーに愛されています。

Melodic House(メロディック・ハウス)

トランスの親戚のようなジャンルで、近年のダンスミュージックシーンで非常に人気が高まっています。

  • 特徴とBPM: BPMは120〜125程度と、トランスよりゆったりしたテンポです。しかし、トランスと同じく、ストリングス(弦楽器のような音)や美しいシンセサイザーのメロディを特徴とし、非常にエモーショナル(感情的)なサウンドを持っています。
  • 代表的アーティスト: Lane 8、Ben Böhmer。Above & Beyondが運営するレーベル「Anjunadeep」は、このMelodic HouseとProgressive Houseの分野を代表しています。

Psytrance(サイケデリック・トランス)

  • 特徴とBPM: BPM 140〜150と最も速いテンポ設定です。幻覚的(サイケデリック)な音色、複雑に入り組んだリズム、そして民族音楽的・神秘的なサウンドスケープが多用されます。
  • 起源: インドのゴア地方で発展したゴアトランスに歴史的なルーツを持ちます。
  • 代表的アーティスト: Infected Mushroom、Vini Vici。

代表的なアーティスト

トランスを世界的な現象へと押し上げ、今もなお影響を与え続けている主要アーティストたちを紹介します。

Armin van Buuren(アーミン・ヴァン・ブーレン)

  • プロフィール: オランダ出身。現代トランスの象徴、「トランスの守護者」として知られています。
  • 歴史的功績: 自身のラジオショー『A State of Trance (ASOT)』を通じて、トランスを世界的なプラットフォームに乗せました。DJ Mag Top 100 DJランキングにおいて、歴代最多タイの5回の1位獲得という偉業を持っています。
  • 代表曲: 「This Is What It Feels Like」、「Blah Blah Blah」、「In and out of Love」。

Tiësto(ティエスト)

  • プロフィール: オランダ出身。2000年代初頭のトランスシーンを牽引する存在。
  • 歴史的功績: トランスをアリーナ級のイベントに持ち込み、トランスDJとしてDJ Mag No.1を3回獲得しました。彼はクラシック音楽をトランスにアレンジする試みでも知られ、壮大さを追求しました。
  • 代表曲: 「Adagio for Strings」(クラシックの名曲をトランスアレンジした傑作)。

Paul van Dyk(ポール・ヴァン・ダイク)

  • プロフィール: ドイツ出身。ジャーマン・トランスの精神を受け継ぎ、グローバルな人気を獲得しました。
  • 歴史的功績: 2度のDJ Mag No.1を獲得しており、トランスの感情的な深さとレイヴのエネルギーを両立させました。
  • 代表曲: 「For An Angel」(トランス史上最も有名な曲の一つ)。

Above & Beyond(アバーヴ・アンド・ビヨンド)

  • プロフィールと歴史: 2000年にロンドンで結成されたイギリスのトリオ(Jono Grant、Tony McGuinness、Paavo Siljamäki)。
  • レーベル: 彼らが運営するAnjunabeatsは、Uplifting TranceやProgressive Tranceの最前線を走るレーベルとして有名です。
  • ラジオ: 週刊ラジオショー『Group Therapy Radio』を主催し、世界中のファンと繋がっています。
  • 代表曲: 「Sun & Moon」(印象的な歌詞で知られ、海外のフェスでは必ず大合唱が起こる曲)。

Sasha & John Digweed(サシャ&ジョン・ディグウィード)

  • プロフィールと歴史: 主にプログレッシブ・ハウスやプログレッシブ・トランスの分野で活躍したDJコンビ。
  • 功績: 彼らが1996年と1997年にリリースしたミックスアルバム『Northern Exposure』シリーズは、後の商業的なトランスとは一線を画す、メロウで知的、そして展開の長いプログレッシブなトランスを紹介しました。彼らはそれぞれDJ Mag No.1を1回獲得しています。

まとめ

トランスは、繰り返されるメロディラインや壮大な展開が特徴で、聴く人を自然と音の世界へ没入させる魅力的な音楽ジャンルです。誕生から現在まで、クラブカルチャーの中で進化を続け、サブジャンルの多様化やフェスシーンでの広がりも見逃せません。今回紹介した特徴や代表的アーティストを知ることで、より深くトランスを楽しめるはずです。自分好みのサウンドを探しながら、ぜひその奥深い世界に触れてみてください。

SNS投稿はコチラ
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次